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ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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週末の文化的贅沢その1: オペラ初体験

前回書いた通り、土曜日は風邪を押してCovent GardenのRoyal Opera Houseへ。

ごく身近に父という無類のオペラ好きがいるにも拘らず、というべきかむしろ身近にサンプルが存在するからというべきか、これまで何となく足を踏み入れずにいた。

週末の文化的贅沢その1: オペラ初体験_f0023268_8534910.jpg
それは別に、子供の頃アリアを散々大音量で聴かされたトラウマとかいうようなネガティブな理由ではなく、単純に次のような理由による。
理由その1: 特に東京に暮らしていると、オペラは敷居が高い。もっと現実的な話をすれば、チケットも勿論高い。(3-4万円出してウィーン・フィルやベルリン・フィルのコンサートへ行っていることを考えれば実はあまり変わらないけど・・・。)
理由その2: これはやや子供の頃の影響があるのかもしれない。オペラは何となく「大人のもの」という気がしており、アダルドチルドレン度(?)の高い自分にはまだ早いかなという勝手な偏見をもっていた。
理由その3: こと交響曲などに限った話をすると、実は個人的には歌が入るものがあんまり好みではない。マーラー4番の第4楽章とか、同2番の第5楽章とかのコーラスは素晴らしく綺麗だと思う。綺麗だとは思うのだけれど、歌が入ると歌に気をとられて演奏に集中できなくなってしまうような気がするのである。これはおそらくひとえに、複数のことを同時に出来ない自分の不器用さによるものではないかと思う。

ともかく。
そんなわけで、これまで何とはなしにオペラに関わらない生活をしてきた。
でも折角ロンドンにいるわけだし、こちら在住の別の友人に声を掛けてもらったこともあって、6月末の「Tosca」でそつなくデビューを果たす予定だった。
それが今回の突然の嬉しいお誘いで、最も初心者向けではない(?)ワーグナーでのデビューにスイッチ。演目は、「ニーベルングの指輪」四部作の第四部(第三夜) 「神々の黄昏」(Götterdämmerung)。

第一部~第三部は当然見ていない。
予備知識はといえば、映画版「ロード・オブ・ザ・リング」ぐらいしかない(笑)。

おまけに。
ちょっとしたアクシデントで第一幕に間に合わず、ぶっ続けで2時間と3幕の中でも最も長時間にわたる第一幕を劇場脇のレストランのモニターで眺めることに。
薄型テレビの映像と共に音を流してくれるのは良いのだが、困ったことに、肝心な英語字幕の部分が切れて読めない。
ドイツ語分かるわけないだろーが。
というわけで、第一幕はおたおたしながらストーリー展開についていくのがやっと・・・という有様であった。
が。
前菜の後の第二幕。
メインと珈琲でお腹も満足した後の第三幕。
ほぼ案内役に徹して下さったオペラ通のL氏によれば、「ワーグナーは初めのうちちょっと退屈なのを我慢すれば後半は素晴らしい!」とのコメントに納得。

舞台も歌も演奏も、フィナーレに向けて次第にモメンタムが高まる。
特に、Brunnhilde役のLisa Gasteenがとにかく圧巻だった。

世の女性達からの大批判を承知で、最後にもう一つだけオペラを敬遠してきた小さな理由について一言。

週末の文化的贅沢その1: オペラ初体験_f0023268_8532475.jpg
オペラ歌手は、職業柄概ね大柄な女性が多い。
上記Lisa Gasteenも例外ではなく、「圧巻」は歌声に留まらずフィジカルな迫力も相当なもの。
美しい女性・華奢な女性を至上のものと考えている私にとって(まあ要はないものねだりですな・・・)、フィジカルに存在感のある女性というのは、ロマンティックなストーリーラインに何となく不釣合いな気がしてしまう。
相手役の男性が小柄だったりすると尚更のこと。
敬愛するマリア・カラスは50kgものダイエットをして美貌と名声を手に入れたが、オーディエンスとしては素晴らしい歌声もさることながら、スレンダーな立ち姿にうっとりする部分も多々。
消費者の何とわがままなことか。
by canary-london | 2006-04-28 08:56 | cravings