ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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グルメ会とオイスター

前回日英の食文化についての話題となったので、続いて久々にグルメの話題。

最近「グルメ会」なるものに誘われ、二度ほど会合に参加している。
5~6名程度と小規模なグループで、「’金に糸目をつけて(笑)’美味しいものを食べに行こう!」
という企画。
発起人である男性の友人二名によれば、メンバー選定にあたり真っ先に私の名前が挙がったとのことで、有難い話ではあるのだが、要はただの食いしん坊・酒好きとみられているということだ(笑)。

この「金に糸目をつけて」という発想、全くもって同感である。
ロンドンほどのコスモポリタンな大都市であれば、お金を惜しまなければそれなりの美味なものにありつけるのは当然。
ロンドンの食生活が「貧しい」重要なる所以の一つは、「安くて美味しいもの」が少ないからだと常々感じる。

かといってこのグルメ会、別に一膳飯屋のようなところへばかり行く趣旨ではないのだけれど、
「relative value(=価格対比の質)」は重要なる評価項目の一つ。
全員の持ちネタが一回りしたところで全ての店を比較評価するというルールも導入したため、若干の競争意識もある。
言うまでもないけれど、美酒・美食に伴われると自然に会話も弾んで楽しい。

グルメ会とは直接の関連はないが、グッドバリューのお店が少ないロンドンにおける私のとっておきの一つは、Piccadilly Circus至近にあるBentley’sという老舗のシーフードレストラン。
目の前で新鮮な牡蠣をさばいて出してくれ(私は生ガキに目がない)、自慢の牡蠣や各種魚介類に合わせてグラスで出してくれる白ワインの品揃えは脱帽もの。
決して安いお店ではないけれど、ミネラルウォーターやパンとバター、食後のエスプレッソなど全てにこだわりをもった美味しさが感じられるレストランというのは、ロンドンではとても貴重なのだ。
日本から友人や出張者が来るときなど幾度となく足を運んでいるけれど、先日行ったら若干味が落ちたようにも感じた。
その日のシェフの体調とか、そんなことも影響するのかもしれない。

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このBentley’s、一階と二階(英国式ではGround floorとFirst floor)があり、一階はオイスターバー、二階はもう少しフォーマルなレストランになっている。
先日初めて階上のレストランで食事をする機会があったけれど、オイスターバーの方がずっと雰囲気が良い。
私が行くのは週末の昼間が多くなるのだが、このオイスターバーにふらっと入ると、大概きちんとした身なりでカウンターのスツールに腰掛け、カキ職人との時折の会話を楽しむ白髪のおじいちゃんを一人二人見かける(おばあちゃんよりもおじいちゃんが圧倒的に多い)。
休日の昼間からグラスワインを傾け、美味しそうに牡蠣を口に運ぶ上品な初老の男性を見るたび、自分も何十年後かには、気張らずに一人でこんな美味なオイスターバーに一人で来られるような老人になりたい!!・・・などとささやかな野望を抱くのだ。
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by canary-london | 2008-08-29 14:09 | gourmet
前回、日本に一時帰国した際「へえー」と思ったことについて一つ書いたけれど、今回は実にくだらない方の感動について。

出発前に成田空港をうろうろしながら、同僚のシンジケート・デスク面々へのお土産を物色。メンバーの中には東京勤務の経験があってコンビニおにぎりが大好物といった変わった人物もいるが、これはごく少数派。
何せ私以外は英国人(含・スコットランド、ウェールズ、インド系英国人)、アメリカ人およびカナダ人しかいない我がデスク、以前小豆の入ったお菓子を買ってきたところ、不当に低い評価を受けた苦い思い出がある。

どんな西洋人でも食べやすく、且つ日本のテイストも効いたものはないかと探してふと手にとったのが、「抹茶コルネット」なるお菓子。
要は、ヨックモックのシガール(子供の頃かなり好きだった)の中に抹茶風味のクリームを包み込んだ、何とも和洋折衷・妥協の産物のような「何ちゃって」和菓子である。
私が買ったのは東京の会社のものだったと思うが、ネットで検索すると同名のお菓子は複数のメーカーが製造しており、意外にポピュラーであることが判明。
この「何ちゃって」和菓子、ロンドンのデスクに持ち帰ったところ、何と爆発的な人気を博した。

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カナダ人の男性Eなどは、「こんなに美味しいお菓子は生まれて初めて食べた!」といったちと大袈裟な感動の仕方。退社時には二本ほどポケットに突っ込み、「今日の夜はこれを食べるのを楽しみに帰るよ」などとにこにこしながら出ていくので、満更過剰表現でもないのかも・・・。
余談になるが、Eは生まれも育ちもカナダでカナダ人のお母さんを持つが、お父さんは日本人という日系二世のハーフ。残念ながら日本語は一言たりとも話せないけれど、日本人のお父さんは「食文化」という大切な日本の一面を彼に伝授すればよかったのに・・・などと余計なお世話ながら思ってしまう。
こんな広告塔・Eのおかげもあり、他のデスクからも噂のお菓子を食べに来る人が続出する始末。6本x5袋程度入った箱はまたたく間に空になってしまった。

こんなエピソードにつけても思うのは、やはり彼我の食に対するこだわり・食の充実度の違い。
「抹茶コルネット」は確かに割合美味しいけれど、空港で何気なく買った、日本的感覚でいえばごく普通のお菓子である。それがこれほどまでの感動をもって迎えられるということは、いうまでもなく日本の食のスタンダードがいかに高いか、翻ってこちらの(この文脈では英国人および英国在住の人に限定)人がいかに普段貧しい食生活を強いられているかという動かしがたい事実・・・。
再三書いているとおり、ロンドンの食事情は、私が前回この地に暮らした15-20年前に比べると格段に良くはなったものの、こんな何気ないお土産にまつわるエピソードからも、日英の差を痛感してしまった。
次回帰国の際は、少し目先を変えてC級グルメなお菓子を紹介してみようか、などと企んでいる。
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by canary-london | 2008-08-11 09:22 | culture
先般久し振りに日本に一時帰国する機会があった。
一時帰国するたび、比較的高尚なことから実にくだらないことまで、様々な事象について日本を見直す発見があったり、また日英を比較して改めて感動することが多い。

今回まず驚いたのが、あるデパートに新たに設置された「コンシェルジュ・デスク」。
機能はホテルのコンシェルジュ同様、街の情報などちょっとしたことを顧客の要望に応えてすぐに調べてくれる便利屋さんといったところ。

私は短い帰国の間に、何とかしてお気に入りのブレスレットの壊れた金具を修理してもらいたいと思って新宿をうろうろしていた。
時間もないので銀座の本店まで行かずに何とかしたい。
ちなみにイタリアの某ブランドでロンドンにも当然ショップはあるのだけれど、こと修理となると海外のブランドであっても日本の方が数倍対応が良いため、壊れた貴重品は日本に持ち帰って直すことが殆ど。

このブランド、そのデパートにはショップなどないだろうなと思いながら聞いてみたところ、「弊店にはありませんが・・・」と言いながら手早くGoogleしてくれ、
「新宿地区なら、(ライバルの)I百貨店さんの四階にございます」
との説明。
ご丁寧に、念のため銀座本店にも問い合わせてそちらの営業時間も教えてくれた。

私はデスクの女性に御礼を言って、徒歩5-10分程度のI百貨店へ向かった(幸いここで用は足りた)。

・・・しかしながら、ふと浮かぶ疑問。
このコンシェルジュ・デスクは、私に対して提供したサービスで、一体自身にとって何のメリットがあるのだろうか?
経済的メリットは皆無どころか、むしろこのO百貨店の売上に直結しない説明に時間を割いた従業員の人件費、そしてプリントアウトしてくれたA4の紙代の分マイナスである。

あえてメリットを挙げるとすれば、「O百貨店のコンシェルジュサービスって良いよね」と消費者に口コミで伝わり、全体的な集客力アップに繋がるという中長期的なものか。
この種のソフトパワーが実際にどこまで威力を持つものかは実に興味深い。
正直を言うと、ひねくれ者の海外在住日本人としては、これはやはりサービス過剰・消費者甘やかし大国ニッポンの一つの表れだと感じざるをえなかった。

念のために断っておくが、私はこの時こそO百貨店では何も買わずに立ち去ってしまったが、普段は駅の真上と立地が至便なこともあり、かなり良い顧客である(と思う)。
タダでサービスしてもらった負い目もあり、今回はO百貨店での出費もいつになく多かったような・・・などと考えると、口コミのソフトパワーもさることながら、サービスを利用した人間の良心に訴える方法も意外に有効なのかもしれない(笑)。
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by canary-london | 2008-08-09 08:52 | culture