ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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前々回のエントリで、チャリティーについて少し書いた。

ロンドンがチャリティーを奨励するシステムにおいて世界有数の拠点であることについてはそのときに書いた通りだが、その直後にたまたま同業他社の人とチャリティー・イベントについてカジュアルな話をする機会があり、同じロンドンといえども会社によって取り組み姿勢が大きく異なることが分かった。

その会社は弊社同様、欧米の中では欧州系に分類される先。
自分にとってもタイムリーなトピックだったので、食事の際に何気なくチャリティーのことを話題に出してみたところ、意外に冷ややかな反応。
聞けば、この種のチャリティー・イベントの企画やイベントへの参加は、総じてバック・オフィスに属する人々に限定されるとのこと。

ちなみに我々の業界では、大まかな仕事の分担が、フロント・オフィス(平たくいえば会社の収益に直結する部署)、バック・オフィス(フロントのサポート的業務を行う部署)、ミドル・オフィス(フロントとバックの中間的立場にある部署)のいずれかとなる。
もっとも、個人レベルでいえば、フロント・オフィスといったところで、もちろん全員が相場を張るトレーダーではなく、営業から経済調査まで実に様々な職種の人がいるし、「フロント・オフィス」と一口に言ったところであまり意味のある定義ではない。
とはいいながらも、やはり仕事の性質として事務作業が中心となるバック・オフィスは、フロントに比べて時間の流れ方が緩やかであることは確か。
件の同業他社においては、チャリティー・イベントの類は、時間に余裕のあるバック・オフィスの人間しか参加しないものだというのは、チャリティーが日々身近にある会社で働く私にとっては軽いショックだった。

一歩離れて見ると、弊社とその会社は業界の中でも両極端なのかもしれない。
弊社はというと、先日書いたようなオートバイに乗るイベントのように突発的な変わったものもある一方、マラソンやパワーウォーキング、遠泳など比較的「普通の」スポーツに関連するチャリティーには、ごく日常的にフロント・オフィスの人間が参加している。
部署毎にチームを編成してチーム対抗のスポーツを行うのはザラであるし(先日は私もボート漕ぎに駆り出され、普段使わない上腕部の筋肉が今も微妙に痛かったりする)、クリスマスの時期ともなれば、毎年恒例の仮装カラオケ大会が開催され、もっとも多くの参加者を輩出するのは、ほかでもない我がデット・シンジケート部だ。

この種のことは、時間に余裕のあるサポート的業務の人間に一任すれば良いとの考え方にも一理あるのかもしれないけれど、ちょっと寂しい。
最近自分の視野を少しでも広げるべく、会社の中で多文化交流を促進するボランティア的団体への参加を始めたのだが、このようなことに時間と労力を惜しまない様々な部署の人に出会うたびに脱帽する。
「ボランティア的団体」などというとやや堅物の優等生的イメージだけれど、内実は、多文化や多様性の促進に繋がればわりと何でもアリという側面があり、現に今度私が提案して実現する運びとなったのが、「sushi-makingクラス」。
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会社の食堂を一時間ほど借り切り、本物の料理人を調達してのり巻を中心に簡単なお寿司の作り方をガイジンに教えてしまおうという目論見である。
日本人として食に対しては一家言あるゆえ、多文化交流においてまず自分が貢献できる分かりやすい分野は料理だろうとの浅はかな考えでの提案だったのだが、二週間後の本番を前にして、実は「日本人の私が一番下手だったらどうしよう・・・」などと及び腰になっている(笑)。
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by canary-london | 2008-07-29 07:03 | current
フラットから一軒家に引っ越してから、そろそろ一年が過ぎようとしている。
古い一軒家に住むということは、大体において、それだけで実に色々なハプニングに遭遇するということを意味する。
理想を言えば、日本人の転勤者でも家族を持つ人の多くがそうしているように、少し郊外にあるアメリカンサイズの庭付き一戸建てに住みたいと思う。・・・のだけれど、通勤、および夜ロンドン中心部で遊んだ帰り道のことを考えると、どうも踏み切れずにいる。

それはともかくとして、我が家の話。
引っ越してからというもの、ナメクジやアリなど、あまり快くない様々な生き物に戦いを挑んできていることは、このブログでも紹介済み(笑)。
今回の「事件」は、もっと心温まるもの。

今週の月曜日だったか、この時期のロンドンに典型的な、実に天気が良く「ラブリー」という形容詞の似合う一日。
市場も静かなため、こんな日はさっさと帰って、日没までの日差しを庭で楽しむに限る。
そんな思いで家路を急ぐ。
夏至の時期のロンドンは、サマータイムのお陰もあって日没は22時を過ぎる。
最近では少し日が短くなってきたとはいえ、21時半頃まで外が明るく、仕事を終えてからの夜の時間を何らかの活動に充てることが出来るという意味では、実に素晴らしい時期であり、またここにはそれを奨励するカルチャーもある。

帰宅して、階段の踊り場から、何気なく小さな裏庭を眺める。
・・・と、芝生ゾーンの真ん中に、何やら見慣れない茶色い物体。
ん???
狭い庭には、大家さん所有の妙な置物など様々なものが並べられているので、籐製のアヒルの置物でも倒れてきたのだろうかと一瞬思ったけれど、何か様子がおかしい。

階下に下りて、窓から良く見ると、何と。
・・・キツネ。
しかも、寝てる・・・。

初めは死んでいるかと思って相当びっくりしたのだが(私の庭に勝手に入ってきて死んだのだとしたら偉く迷惑な話だ)、良く観察すると、息をするたびに腹部が動く。
ペットということはないだろうから野生のキツネに違いないのに、何とまあ無防備なものである。
ロンドンのど真ん中にいるとは俄かに信じられない光景を眺めながら、こちらはそれこそキツネにつままれた気分。

・・・などと他人に話しても絶対に信じてもらえないだろうと思って、キツネを起こさないよう、家の中からそっとシャッターを切った。
窓越しなので、画像の悪さについてはご勘弁を。
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退場シーンには立ち会えなかったけれど、このキツネ氏、2時間もすると忽然と姿を消していた。
晴れた気持ちの良い夕方、庭で読書でも・・・と思ったらキツネに先を越されたのは誤算だったけれど、先客が先客なので、この日はキツネ氏に庭を独占してもらうことに。
ロンドンは、やはり東京と比べるとそれでもまだ自然が多少残っているのかな、と嬉しい気持ちになって、キツネのいなくなった庭でビールを開けた。
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by canary-london | 2008-07-17 13:46 | diary

ロンドンとチャリティー

先週の金曜日は独立記念日で米国市場休場とあって、オフィスは閑散の様相。
時期的に、部署毎に順繰りで夏休みに入る人も増えるため、フロア全体的に静かではあったけれど、我が部署は更に人が少ない。
というのも、度重なるリストラでスリム化が進み、存続するための最小サイズとなった(笑・うーん、笑えない・・・)我々デット・シンジケートのチームから、二人がチャリティー・イベントに参加していた。
もちろん出張も多い部署なので二人ぐらい不在となるのは日常茶飯事ではあるのだが、そんなことにも関連して、今日は「チャリティー」イベントというものがこちらでいかに密接に生活に関わってくるかについて一言。

同僚二人が参加した件のイベントというのは、オートバイで英国を縦断するというもの。
チャリティーのことを最初に彼らから聞いたときには、正直
「えー、バイクに乗るごときで我々から寄付を募るわけ?運転しているアンタ達が楽しいだけじゃないの??」
と思ったが、丸二日と半日をかけて750マイル(約1,200キロ)の運転から戻った猛者二人の話を聞くと、なかなか苦しい道のりだった模様。

最も大きいのは、やはり気まぐれな英国の天候。
雨が降ると路上が滑りやすくなるほか、革の上下に包まれた全身は濡れネズミに。
確かに、「史上最高の男子決勝」と言う人まで出てきた昨日のウィンブルドン・テニスにおける     Federer x Nadalの対決が雨で幾度となく中断されたことからも分かるとおり、時折覗く晴れ間のあまり長持ちしない週末だった。
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それにしても、最近このようなチャリティーのイベントで「私をスポンサーして下さい!」といったメールが知人・友人から舞い込むことが際立って多い。
何しろ、このようなチャリティー活動、今回のようなオートバイは初めて見かけたが、マラソンやサイクリング、パワーウォーキング、ボート漕ぎなど、体を動かすものが圧倒的に多いため、気候の良いこの時期になると、ここロンドンでは雨後の筍のように様々なイベントが執り行われるのである。

ロンドンは、こういったチャリティー団体に供するための募金を効率的に行うシステムが整っているという面では、他の都市に比べて群を抜くように思う。
毎年4月に開催されるロンドン・マラソンは、言わずと知れた世界有数のチャリティー・イベントである。昨年の実績ベースでは参加者全体の8割近くが何らかのチャリティー団体のために走ったらしく、また累積では1981年の同マラソン創設以来、実に315百万ポンド(現状の為替レートで      660億円以上)の募金が集められているとのこと。

会社でも、毎年必ず「チャリティー・オブ・ザ・イヤー」(その年のチャリティー活動)というものが従業員の多数決で選定され、会社の旗振りの下に行われるイベントは、例外なくこの団体に寄付される。
傾向を見ると、貧困や恵まれない子供を支援するものが多く、こういった目的のためにポケットマネーを手軽に振り向けることが出来るシステムが整っているのは、実に素晴らしいことだと思う。

・・・とはいいながらも、一年の中でもチャリティー活動が全盛となる今の時期、同僚や友人を応援する目的での寄付が嵩み、何やら財布の薄さが気になるのは私だけではないハズ(笑)。
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by canary-london | 2008-07-08 08:37 | current
タクシーの運転手は選べない。
手を挙げて車が滑り込んできた後に、運ちゃんの人相を見て
「うーん、これは失敗かも」
と思うことはあるが、時既に遅し。
乗客からの「逆乗車拒否」をするのも何なので、そのまま乗り込む。

これが結果的に、人相通り非常にうっとうしい運転手だったり、はたまた意外に楽しい運転手だったりするのでやめられない。
何ともスリリングである。
別に私は、日々新たなタクシー運転手との出会いを求めてタクシーに乗るわけではなく(だとしたら新手のストーカーだ)、基本的には早く目的地に着きたいから乗るのだけれど、運転手の良し悪しでその日一日の気分が左右されたりもする。
*念のため断わっておくが、私は狂乱物価のロンドンで毎日タクシーに乗るようなブルジョワ階級ではない。仕事で使う時を除けば時々やむを得ず乗るだけである。

自分のことをふと考えてみると、このようなメンタリティーになったのは最近のことかもしれない。正確に言うと渡英してから。
東京で「24時間働けますか」サラリーマンを地でいっていた頃は、タクシーに乗っても束の間の休憩時間とあって知らず瞼を閉じてしまう。
運転手の人柄なんか構っちゃいられない。
・・・もっとも、2001年12月には、仕事帰りにタクシーの中でうとうとしていたら、表参道の交差点を過ぎた辺りで私を乗せたタクシーが転回してきた別のタクシーに突っ込み、5週間松葉杖生活に陥ったので、乗客の安全という観点からは、寝る=必ずしも良いことではないのかもしれないが。

近年は、自分にもタクシー運転手の人間観察をしたり、会話を楽しんだり、相手の話を聞いたりといった余裕が出てきたということなのかもしれない。

先日事情により極端に急いでおり、会社帰りにCanary WharfのオフィスからIslingtonの自宅までタクシーに飛び乗った。
このときの運転手が、「当たり」。
肩肘張っておらず、会話も押し付けがましいのではなく、こちらの反応を見ながら話題を作っていく。髪の毛の心もとないオジサンで、お世辞にも器量が良いとはいえないが、なかなか良い笑顔で笑う。
ロンドンの名物、ブラックキャブのドライバーには、概して自分の仕事に誇りを持っている人が多いように感じる。
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私の場合、自分の英語の発音が独特なので(9割方アメリカ英語だが、残りの1割がアジア人とイギリス人の妙なブレンドといったところか)、大抵の場合、まず「オマエはどこ出身だ?」から話が始まる。
別に私の話を一方的に聞くのではなく、運転手自身の家族のことや住宅価格のことなど、とりとめのない話が進んでいく。

その彼の話の中で、こんなことが印象に残った。
曰く、乗客の中で、打ち明け話や身の上話をする人が非常に多いとのこと。
聞けば、恋愛や結婚の相談、金銭や家族にまつわる悩み事まで、タクシー運転手というのはありとあらゆる個人の悩み相談室らしい。
「相談」というよりも、一方的に思いのたけを話して降りていく乗客が多いようではあるけれど。

ふーむ、なるほど。
その後この運転手とも話したのだけれど、乗客としては、縁もしがらみもなく、且つ二度遭遇するリスクの低いタクシー運転手というのは、そういったプライベートな話をするのにうってつけなのかもしれない。
話をする側のメンタリティーは、きっと「旅の恥は掻き捨て」か「一期一会」のどちらかなのだろう(笑)。

しかし街中で再度遭遇することが万が一あったとしたら、どう考えても圧倒的に運転手の方が有利な筈。なぜなら、我々は結局運転手の後頭部とバックミラーに映るサングラスに覆われた顔しか見ていないのだから。
・・・なんて思うと、小心者の私は、タクシー運転手にうかうか身の上話なんて出来ないのである。
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by canary-london | 2008-07-01 08:18 | diary