ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

<   2007年 04月 ( 1 )   > この月の画像一覧

3月半ばのある土曜日は、日本から遠く離れたこの地ロンドンで大切な人に久し振りに再会した。
はるばる東京から訪れてきたのは、大学時代の恩師
まるで先生の訪問をロンドン中が歓迎するかのような、4月末並のぽかぽか陽気と温かい陽射しの中で、東京のせわしない日々では味わうことのできない、ゆったりとした時間を一緒に過ごさせて頂いた。
現在も大学で現役の学生達と活発に議論を交わす先生との会話からは、実に学ぶものが多い。
特に印象に残ったのは以下の二点だろうか。

1. 日本のmarginalityの進行と「ソフト・パワー」の重要性
中国を中心とする東アジア研究は先生の専門分野であり幾多の論文を書いておられるため、私ごときが踏み込んだ言及をすることは不可能だが、今回の学会のお話、そして先生の「肌感覚」での世界におけるバランス・オブ・パワーを垣間見ることができた。
今回先生が来英された理由は、のんびりとしたロンドン観光である筈もなく、ロンドン郊外で開かれた大規模な学会への出席。聞くとこの学会というのがスゴイ代物で、世界中から学界・政界関係者を60人程度そろえ、「中国」をテーマに計5日間議論を繰り広げる。
参加国は、当の中国は勿論のこと、米欧亜、はてはアフリカも含めて実に幅広い。

会場となったイングランド南部のWilton Houseという場所は、多くが数日間に及ぶこの手の会合を週に一度乃至それ以上のペースで開催している由。
運営自体は財団のような主体によって行われている模様であるが、多分に英国政府のバックアップを受けている。

我が恩師をはじめとして各国から錚々たる顔ぶれが集まり、高度に専門的な会話が繰り広げられていることは疑いない。
「こういうのが英国の‘ソフト・パワー’に繋がるんだよね。日本もこういう点を見習わないと・・・」と先生。

確かに、この会合によって英国にとって直接・即時の経済的メリットがあるとは到底思えないが、とにかく情報の量と質が計り知れない。
この旗振り役となることで様々な専門分野における情報を入手し、物言わぬ影響力=自国の「ソフト・パワー」に繋げる英国政府の戦略には舌を巻く。
決して悪い意味ではなく、大英帝国時代の植民地支配の考え方が根付いているのだろう。

寂しいのは日本の実情である。
米国などがアジア専任の政府高官を並べるなか、日本代表は先生一人で日本からの政界関係者はゼロ。
「全体的に日本の立場はmarginal(=周辺的)になっていると感じた」との先生のコメントは今回の学会だけでなく、国際情勢全般を見据えたものだった。
ロンドン生活を通じて日本を益々第三者的視点から眺めざるをえない私はというと、残念ながら日増しに同じ印象を強めている。

2. 若者との交流の重要性
私が先生の下で学んでから10年程度が経つが(年齢がバレてしまうが・・・)、今回改めて驚愕したのは、先生の「若さ」である。
比較的童顔で小柄な先生は最近お洒落なジーンズを颯爽と履きこなし、外見からして私の方が10年前にタイムスリップしたかのよう。
しかし何にも増して先生の若さを感じるのは、内面的な部分が大きい。
とにかく、考え方が柔軟なのである。
先生の人柄の成せる業でもあるが、どんな突飛な意見でも頭ごなしに否定することはせず、聞く耳を傾ける。

「現役の大学生と毎日やり合うのはパワーがいるよ」と先生。
「‘最近の若者は・・・’とは言わないようにしているんだ。これが若さの秘訣かな」と笑う。

翻って自分を見ると、「最近の若者は・・・」というフレーズを口にすることが最近増えていないだろうか。
好奇心とパワーに満ち溢ればりばりと仕事をされる先生を眺めながら、自分も頑張ろうとの思いを新たにした。
[PR]
by canary-london | 2007-04-16 08:17 | diary