ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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放心・・・・・

天才って、いるものですね。
本日そう感じたのは、今月6回目となるPromsにて。
まだ8月18日・19日のGergievについてアップデート出来ていないため順番があべこべなのですが、本日のLang Langの演奏には本当に感動しました。

弱冠24歳の、小柄な天才。


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言葉では、とても表現できない。
今日は放心状態で彼の演奏を思い出しながら眠りにつくことに致します。

本日の演目は以下の通り:
Ives         Symphony No. 2
Chopin       Piano Concerto No. 1 in E minor
R. Strauss    Till Eulenspiegel

Conductor:  Leonard Slatkin (Sir Andrew Davis急病のため、急遽代理指揮でした)
Orchestra:  Pittsburgh Symphony Orchestra
Piano:      Lang Lang

*PS Lang Langがアンコールとしてかなりオリジナルをデフォルメして弾いた曲が、いつも聴く曲だというのに(Chopin又はLiszt)どうしても曲名が思い出せません。しかも何故かCDも見当たらず。
いよいよ脳細胞激減です。
今日会場にいた方、誰かタスケテ下さい・・・。
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by canary-london | 2006-08-31 09:32 | music
8月28日月曜日は英国で数少ない国民の祝日だったため(実のところ、これで年内はクリスマスまで祝日はゼロである。考えないようにはしているが・・・)土日を含めると三連休。
計画したのは昨今のテロ未遂が明るみに出る前のことだったので別に先見の明があったわけではないのだが、結果的には未だ混乱の続く海外への渡航でなく国内を行き先に選んで大正解だった。
イギリスの田舎を満喫できる先、ということで決めた目的地は湖水地方(Lake District)。
15年前に両親と3人で訪れた地であり、ややセンチメンタル・ジャーニーの感も。

1. やはり素晴らしき哉、英国の田舎
心が洗われるのは、やはり延々と続く田園風景の成せる業か。
今回は特に、昨年2月末からの断続的な英国滞在の中で初めての車での旅。Newcastle-upon-Tyneを土曜日の昼前に出発しAmbleで小休止の後、映画「ハリー・ポッター」の舞台となったAlnwick Castleへ。東側の海岸線にも足跡を残してから南西へと方向を換え、紀元2世紀初めにローマ五賢帝の一人であるハドリアヌスが建造したHadrian’s Wall (ハドリアヌスの長城: 英国には2003年末現在20個あるユネスコ指定世界遺産のうちの一つ)を眺めながら、宿のあるGrasmereへ向かうというなかなか壮大な行程。
山の少ない英国だが、ハドリアヌスの長城からCumbriaにかけては1000mに迫る山が複数そびえ、国道の両側は国立公園という一帯である。

山山山。
緑緑緑。
羊羊羊。

似たような光景の繰り返しだけれど、何とも心安らぐ風景。
人間とはやはり自然の産物なのだと感じる瞬間。
忘れられないのは、Grasmereへの道中見た落ちてゆく西日が雲の切れ目から覗く一幕。
「神様の降りてきそうな」という表現の似合う空だった。

2. 時の流れ、人、そして言葉
ロンドンより明らかに緩やかな時間の流れ方。
困っている人を見ると、兎に角何とかしてくれようと知恵を絞る現地の人々。
人の温かさに感動することが半分、親切が昂じての非効率性に苛々することがもう半分。
Northeastの人々が古くから親しんでいる言葉、「Geordie」(一種の方言)にしろ、Lake Districtの人々が日常使う言葉にしろ、やはり土地柄Scottishに近いイメージ。
集中して聞いていないとはっきりいって半分ぐらいは何を言っているのやらさっぱり解せないのだが、こんな朴訥な言葉も温かさの一つの背景か。

3. 未だ健在・・・恐るべし英国の超・反アルデンテ的茹で野菜
本ブログで再三コメントしている通り、英国の食事情の質は過去15年で実に大きく改善したと思う。
今回の旅行も、現地の方々の親切な案内に助けられて概ね美味な食事にありつくことが出来たが、土曜日の夜はすっかり遅くなったため、Grasmere手前のある街でその辺りのパブに適当に入った。
ラム(子羊)のグリルがひたすら巨大なだけでどう見ても焼き過ぎなのは注文時から何となく予想できたが、別皿に盛られた彩り豊かな人参・カリフラワー・ブロッコリーにはほのかな塩味すらも感じられず、更に言うと明らかに鍋で30分近く茹でているとお見受けした。
思わず、リンボウ先生(林望氏)の「イギリスはおいしい」を思い出してしまった。
まだあるんですな、こういう野菜出して一丁前にお金を取る店が。

4. この地ゆかりの詩人と絵本画家について
Lake Districtといえば、やはりWilliam WordsworthBeatrix Potterの二人に触れないわけにはいかないのだろう。
二人共全く異なる芸術家だけれど、共通して感じたのは、きっとこの穏やかなる環境が彼らの創作意欲・活動に影響を及ぼしたに違いないということ。
Beatrix Potterの方は、ピーターラビットを初めとする一連の絵本が日本人に大人気のため日本人観光客も多数見かけたが(Beatrix Potterが8年間暮らした家、Hill Topを模したアトラクションが近時東京近郊にオープンしたとのニュースには興醒めした)、本日の発見はのんびりした絵本画家のイメージが強いBeatrix Potterの意外なるビジネスウーマンとしての一面。
Hill Topの食器棚に見事なBone Chinaに混じってピーターラビットの食器が飾ってあるので案内係に問うたところ、Beatrixは当時から自分の絵を食器に描いてもらい絵本と一緒に販売したとのこと。さしずめ100年前のJ.K.Rowlingといったところか。

ハリー・ポッター城のフクロウ→
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←ハドリアヌスの長城の一部。はっきりいってタダの壁。

Wordsworthの暮らした家の
ガーデンは花が素晴らしく綺麗→
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←えんえんこんな風景・・・。






5. おまけ: テロ未遂後のロンドンの空港について
今回は飛行機といえども国内線であることから、警戒レベルも大したことはないものと高をくくっていたのだが。
HeathrowのX線検査のところで靴まで脱がされるのはまだいいのだが、無造作に化粧ポーチをリュックに突っ込んで行ったところ、化粧道具ほぼ一式丸ごと廃棄されそうになって本気で焦った。
引き続き「液状のものは、親がその場で試飲し安全の確認された乳児用ミルク」しか持込が許されていないのであった。
空の旅をされる皆様、お気を付け下さい・・・。

因みに、同行の友人Yさんの機転で私の化粧品共はゴミ箱行きの憂き目に遭わずに済んだ。
このときおよび全道程大変お世話になり、Yさん本当に有難う!
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by canary-london | 2006-08-30 08:10 | travel

トイレ文化論・後日談

先日本欄でご紹介したロンドンで最初の商業施設におけるウォシュレットについて、先週の「Guardian」および「Daily Mail」に記事が掲載されたとのことなので転載(お暇な方のみどうぞ)。

二つの記事は同じ「自称トイレ愛好家」の女性が「幸」での体験をもとにまとめたもの。
体験談自体はさほど面白くもないが、Guardian記事下部の「イギリスのベスト・トイレ5選」(同氏独断により選ばれたベスト5とのこと)はなかなか笑えた。
Daily Mailはウォシュレットの拡大写真のインパクトがスゴイ。
こういう人、どこの国にもいるんですね。

我が同胞英国人もウォシュレットを快感と感じることが分かってちょっと安心。
2012年のロンドン五輪に向けて快適なトイレ環境を作るべく、投資を惜しまないで欲しい。
でもやっぱりこっちのウォシュレットには音姫のニーズはないらしい・・・。
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by canary-london | 2006-08-22 07:26 | culture
続きます、音楽ネタ。
Promsは季節モノなのでご勘弁頂きたく。9月9日が過ぎたらフツウのBlogに戻ります。
予告通り、今週は何とも贅沢なる4晩連続のProms。
余程のアホか余程の暇人かとやや自己嫌悪ながら、今週のプログラムはそうさせざるをえない部分があり、ロンドン在住の方は私同様、今週だけKensingtonに住み着いていた方も多いのでは。
詳細なる批評は専門家諸氏に譲ることにして、それぞれ簡単に簡単にご紹介。

まずは時系列で、8月16日水曜日。
この日の演目は以下の通り:
Dohnányi: Symphonic Minutes
Bartók: Piano Concerto No. 3
Stravinsky: The Rite of Spring

Conductor:Iván Fischer
Orchestra:Budapest Festival Orchestra
Piano:Garrick Ohlsson

この日のチケットは音楽ジャーナリストでもあるO氏のお薦めで後からチケットを購入したのだけれど。
行って良かった!!!!!
の一言です。
ゲルギエフは別格かもしれないのですが、今のところ今回足を運んだPromsの中で最高だったといえるかも。
感動しました。

とにかく、指揮者とオケが一心同体。
指揮者の眉の動き一つで団員に言いたいことが伝わるらしく、息がぴったり。
上述O氏の解説によれば、現存するオケ・指揮者の中で最も付き合いの長いペアでは・・・とのこと(調べたところ、1983年に同オケを自ら創設して以来。23年・・・。スゴイ・・・。)。

Fischerは非常にチャーミングな人柄で、アンコールでは聴衆に向けて
‘What would you like to hear?’(何が聴きたいですか?)
とサービス。
結局Brahmsのハンガリー舞曲第6番が選ばれ、本日のハンガリー特集(除:ハルサイ)の締めくくりに相応しいエンディング。
Garrick Ohlssonのピアノも、少々ずんぐり気味の体型(失礼!)からはちょっと想像出来ないような繊細な音色で耳に心地良かった。
写真はIvan Fischerデス。
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**************************

8月17日は、22:00スタートで行われたSchiffのソロ・ピアノ・リサイタルへ。
木曜日は通常の19:30スタートに加えて22:00スタートの回が設けられ、小品を中心に毎週趣向を凝らした演出がなされているが、この遅い回でピアノのソロ・リサイタルが行われたのは今年112回目を迎えるPromsの歴史の中でも初めてとのこと。

モーツァルトだけを取り上げた本日の演目は以下の通り:
Rondo in A minor K511
Piano Sonata in A Major K331
*****
Fantasia in D minor K397 (incomplete)
Adagio in B minor K540
Rondo in D major K485
*****
Piano Sonata in A minor K310

Piano:András Schiff

生でSchiffの演奏を聴くのは初めて。
まるで鍵盤に魔法でも掛けるかのように、大切に丁寧にピアノを弾く人だという印象を持った。
Mozartは、長調の曲でも明るいだけでは駄目(今弾いているので自戒も込めて・・・)であって、豊かな表現力が必要とされる。
この人のMozartの解釈は素晴らしいと感じたし、Mozartが殆ど使用しなかったというイ短調に始まりイ短調で終わるというプログラムも練りに練ったものに違いない。
トルコ行進曲の後半はややミスタッチもあった?ちょっとお疲れ気味かしら・・・。

遅い回なのに、アンコールも二曲と精力的。
(二曲とも当然Mozartだと思われる。聴いたことはあるけれどタイトル分からず。記憶力が悪いのでアンコール常に苦労します。サントリーホールみたいに会場に曲名を書いて欲しい・・・。)
演奏終了後のお辞儀も、深々と3方向に対して丁寧にされる方で、演奏と同じような礼儀正しい人柄が感じられる。

ゲルギエフx2については紙面を改めます。

ところで。
「遊び過ぎ」の批判は甘んじて受けるとしても、「贅沢」という批判へのささやかな反論。
東京でのコンサートチケット代の高騰ぶりからすると、4日も連続でコンサートへ行くなんてとんでもない・・・と各方面からお叱りを受けそうだけれど(既に受けた)、此処ロンドンではコンサートの料金設定がリーズナブルで実に有り難い。
良い席にこだわらなければ、一流オケであっても15ポンド(約3300円)もあれば楽しめる。
また、当日売り出すアリーナにあたる場所の立見席に至っては、5ポンドという安さ。
こちらでは、クラシック音楽を気取らず一般市民にどんどん楽しんでもらいたいという姿勢が随所に感じられ、その点については本当に脱帽する。
東京のクラシックコンサートというのは、こう言っては何だが、妙にかしこまった雰囲気になってしまう上、「貧乏人は来るべからず」みたいな何やらオソロシイ雰囲気を醸し出しているような気がするのは私だけだろうか。
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by canary-london | 2006-08-21 09:29 | music
足繁く通っているProms。(何と今週は8月で市場が静かなのをいいことに、水・木の遅い回・金・土と四日間連続で行く予定。RAHに宿が欲しい・・・・。)
8月の二回目となるコンサートは、9日水曜日。

演目は以下の通り:
Jonathan Harvey:Towards a pure land (London premiere)
Mozart :Piano Concerto No.25 in C major, K503
Schumann:Symphony No. 3 in E flat major ('Rhenish')

Piano:Stephen Kovacevich
Orchestra:BBC Scottish Symphony Orchestra
Conductor:Ilan Volkov

今回は一緒に行く予定の友人が急遽来られなくなったため、ショートノーティスでjoinすることを快諾してくれた友人K氏と一緒に足を運ぶ。
ちなみにK氏は、昼間はごく普通の勤め人をしながら夜と休日はピアニストに変身するという類まれなる特技の持ち主。

ロンドンではPremier(初回公演)となった最初の現代曲のHarveyは、とにかく「何でもあり」という感覚がありありと出ていて面白かった。
多用される打楽器の中に見慣れない楽器があるなと思っていたら、K氏曰く「あれは洗濯機のドラム缶を楽器に改造したものだよ」との説明。
ほんまかいねと思いつつ、確かに。
あんな楽器見たことないし音色も聴いたことがない。
現代音楽ってルールも何もなくて興味深い。

ちなみに本日の作曲者・Jonathan Harveyは1939年生まれ。
だから何だといわれると困るのだが、御歳67歳を迎えた我が父と同い年である。
(私は年齢の離れた兄弟のいる末っ子であるため、同年代に比べると両親が少し年輩である。
頭髪がほぼ白く染まった作曲者が演奏後舞台に出てきて挨拶をしたとき、最近背中が少し小さくなった父の姿が頭を霞めた。

ピアノ曲は、Mozartのピアノ・コンチェルト25番。
Kovasevichのピアノは私は初めて聴いたのだが、これまた(英国での)高校生時分Kovasevichが母校を訪ねたため本人に会う機会に恵まれたというK氏による有り難い解説。
私が好むピアニストに関する表現は多様性を欠くなと過去の自分の文章を見ても反省するが、「crisp」とか「articulate」という表現の似合う小気味の良い音色は耳に心地良い。
Kovasevichも明るくはっきりとした音色がどんどん前へ出てくるタイプなのだけれど、不思議と出しゃばった感じはなくオケとのバランス感覚が絶妙。

この日のメインは、シューマンのSymphony3番「ライン」。
交響曲では比較的珍しい5楽章構成で全体的に軽いタッチで仕上げられたこの曲は、何しろ聴いていて心楽しくなる曲である。
前曲のモーツァルトと合わせて、終わった頃には小躍りと共に会場を後にしたくなるような楽しい選曲だった。

ちなみに当日の指揮者・Ilan Volkovは若干30歳にしてBBC Scottish Orchestraの首席指揮者を2003年1月以来務めるイスラエル出身の若き実力者。
本日の指揮も一貫してクール・冷静な姿勢が目立ったが、「ライン」の最終楽章あたりは少しヒートアップして目に楽しかった。

もう一つこの日の個人的な感想を言うなれば、改めてK氏に対して尊敬の念を抱いた。
何よりも素敵だなと思ったのは、全てに対してポジティブな姿勢。
音楽を深く知る人であるからこそ、他人の演奏に対してはとかく批判的になりがちである。
が、K氏にはそんな部分が微塵もない。
斬新な現代曲には素直に感動し、昔出会ったこともあるKovasevichのピアノには惜しみない拍手を。そしてシューマン3番では情熱的な指揮を見せたほぼ同年代のVolkovには賛辞の言葉を贈る。そんな彼の姿勢に、非常に感銘を受けた。
謙虚であることは、全ての物事の第一歩なのかもしれない。
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by canary-london | 2006-08-16 07:21 | music
今でこそ難しい顔をしてMahlerだBrucknerだとエラソウな素人批評を繰り広げるも、ピアノの体験もあって元々クラシック音楽が嫌いではなかった自分に交響曲の楽しさを教えてくれた第一歩はおそらくチャイコフスキーであったように思う。
かれこれ四年ほど前のことになるが、オフィスで数日にもわたって気分が暗澹とする出来事があった。そんなときに、やはり音楽を愛する(且つ私に比べれば音楽の知識・演奏の実力共に月とすっぽんである。常に脱帽。)友人から、チャイコフスキーのシンフォニー5番のCDをプレゼントしてもらった。
「これでも聴いて元気出して。」

ロミオとジュリエットが一緒に収録されている、New York Phil / Bernsteinの一枚
短調であるにも拘らず、不思議と聴いているうちにパワーが漲ってくる曲。
第一楽章。AndanteからAllegro con animaへの展開が軽妙な耳に残る旋律。
第二楽章。のどかな主題からロマンティックな主部への各部で耳に残るメロディライン。
第三楽章。ワルツ。軽快な旋律が心楽しい。
そして第四楽章。華やかなフィナーレ。最後の荘厳なマーチは威風堂々として清々しい。

これに端を発して暫くはチャイコフスキーの4/5/6番を聴きまくる時期が続き、2004年秋のゲルギエフ・ウィーンフィル来日公演における演目がチャイコフスキー4番であったことで、下火になっていた傾向が再燃。
常夏のモルジブのリゾートホテルで大音量のロシアの寒々としたシンフォニーに耳を傾ける変てこな日々だったが、楽曲としての完成度は冒頭のマーラーなどムズカシイ曲を聴き始めると稚拙に感じられてくるのも事実。

実はしばらくチャイコフスキーから足が遠のいていたのだが、この週末久しぶりに4/5/6番をゆっくりと堪能。

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何というのか、「初心に戻った」感じ。
難しいクラシック談義もいいのだけれど、たまにはこんな単純なる感動も良いではないか。
例えてみるなら、チャイコフスキーは勧善懲悪・非常に分かりやすい米国の大衆向け娯楽作品。
マーラーは40-50年前に遡るならばヌーヴェル・バーグ的な色彩を帯びるマニア向けの映画。

ちなみに映画も雑食の私は(要は何でも雑食である。換言すればこだわりがない??)、基本姿勢としては後者のミニシアター系映画が好きであるものの、分かりやすいアメリカ映画も楽しく鑑賞するタイプである。アメリカ映画は断然1950-60年代のハリウッド映画が良い。

パワーの源・チャイコフスキーを聴いて今週もガンバロウ。
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by canary-london | 2006-08-14 09:47 | music
たまには「グルメ」というトピックで書こうと思って自分のエントリをカテゴリ別に眺めると、8ヶ月間のエントリの中で「グルメ」は2件しかなかった。
さすがロンドン。

と、すべて英国の食事情の乏しさのせいにするのはいけないな、と反省。
格別美味しくもないサラダやサンドイッチを仕事の傍らデスクで食べるランチタイムに毎食5-6ポンド(円安になりつつある現状では1100-1300円程度)払わされるサラリーマンの身としては文句の一つも言いたくなるのだが(私は仕事の性質上ランチを外で食べるのは稀である)、各国料理を外で食べるにあたっては大都市だけにそれなりに美味しいチョイスもあるわけであって。

最近の美味しい体験。
互いに良く似た境遇であることも手伝い、オペラにコンサートに旅行にと非常に親しくして頂いた友人が7月末に日本に帰国してしまったのだが、彼女の送別会・バージョン1として女性二人で出掛けた先は、ロンドン中心部から少々南西に位置するWandsworth/Clapham エリアの一軒家フレンチレストラン、「Chez Bruce」。
渋滞もあって我が家からは車で40分程度。はっきりいって場所の便は良くないのだが、それを補って余りあるお料理とサービスのクオリティーだった。

1. セッティング
ロンドンのど真ん中だと「一軒家フレンチ」にもあまり風情がないが、広大な公園であるWandsworth Commonを窓の外に望み、陽光がいっぱいに射し込むように窓を広く取った店内は明るい雰囲気。
敷地が狭く隣のテーブルとの距離が至近なのが気になるところではあるが、壁に掛けられたシンプルな絵画も生けられた花にも細やかな気遣いが感じられる。

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2. お料理
日本人の口に合うような繊細なフレンチ、久しぶり。
東京にもパリにもあるけれど、ロンドンではあまりお目に掛かったことがなかった(普段高級なところへ行かないからかもしれないけど・・・)。
自分は、前菜にはトマト・モツァレラに松の実をアクセントに効かせた冷たいガスパチョをチョイス。メインはvealの薄切りを温かいサラダ仕立てにしたものを、そしてデザートにクレームブリュレを選んだが、いずれも味・量共に申し分なかった。

3. サービス
ロンドンのレストランではサービスの質に幻滅することが少なくないのだが、ここのサービスには非常に好感を持った。ウェイターやソムリエの数が多過ぎると何とはなしに居心地が悪いが(少ないと用が足りないし・・・)、丁度良い布陣。
いずれも出しゃばらないが、必要なときには軽い合図で素早く登場する。
ソムリエになると、ワインをサーブするタイミングで軽妙なトークも。
こういうサービス、どこのレストランも心がけてほしいもの。

これだけのクオリティーになるとお勘定が恐い、というのが世の常だが、料金設定は比較的良心的で財布にも優しい。
つまり、少し遠いことを厭わなければいいことづくめのレストランではないか。
食べたものの写真がないのが残念だが、また足を運びたいと思っている。
ロンドンにいらっしゃる機会があれば、是非お試しあれ。
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by canary-london | 2006-08-12 21:44 | gourmet

かけがえのない友へ

何事も、少しずつ、うまくいかない。
そんなときがある。
仕事。
人間関係。
家族。
健康。
達成すべく自分で掲げた数々のゴール。
一つが狂うと、まるで全ての歯車が少しずつ、緩やかに狂っていくかのような感覚にふと襲われる。

そんな思いに悩む大切な友人に言ったこと。
一、 肩の力、少し抜いていきましょう。
(周囲に気を遣い過ぎなんだよね、何だかんだ言って。)
二、 「『星の王子様』。子供の頃以来読んだことがなければ、是非読んでみて。」

「星の王子様」って、読めば読むほど奥の深い本だと思う。
実は自分も、体調を崩して何とはなしに気分の沈んでいたこの週末読んだばかり。
子供向けの絵本には、子供には全ての意味が分かる筈はないだろうと思うものが多いけれど、サン・テグジュペリがこの本に忍ばせるメッセージの数々は、大人とて読むごとに異なるように感じる。

他人の500倍ぐらい涙腺が緩く映画館で大抵ポケットティッシュの山と格闘する羽目になる私は、キツネ君のところへ差し掛かると、決まって涙する。
(注: 以下は内藤濯・訳からの引用です)

「あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ・・・。
(中略)
もう一度、バラの花を見に行ってごらんよ。あんたの花が、世の中に一つしかないことがわかるんだから。」

「・・・心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」

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正面玄関から力一杯「元気出して!」という本ではないのだけれど、何とはなしに気持ちが晴れやかに伸びやかになって、頑張らなければ、と思って本を閉じる。




ところで、私に「星の王子様」の魅力を教えてくれたのは、これまた大切な友人である。
10年以上も前に、今思えば下らない事で塞いでいた私にこの本を贈ってくれた。
数年前に彼女の結婚式でスピーチを頼まれたのに、運悪く(偶然にも現在住まう地である)ロンドンでの研修日程と丁度ぶつかって出席出来なかった。
落胆する彼女に、当日ロンドンから大きな薔薇の花束を送った
(このときの私の気分は、さながら離れてゆく恋人のハートを再び取り戻そうと悪戦苦闘する男性のようなものだった)。
今にして思えば、研修に遅れて行くことだって出来たのに。
彼女はそれに先立つこと半年、私の結婚式でとても素敵なスピーチをしてくれたのに。
仕事優先が当たり前、なんて思って大切な事を見失っていた、何年にもわたる時期に差し掛かった頃の自分。
時間を巻き戻すことが出来るならやり直したい、と思うたくさんのことの一つ。
相変わらずスピーチは下手だけど、ね(笑)。
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by canary-london | 2006-08-08 09:19 | diary
7月14日から9月9日までの二ヶ月間、KensingtonのRoyal Albert Hallを舞台に毎年BBC PromsというBBC主催によるクラシック音楽のフェスティバルが開催される。
対象とするのは飽くまで一般庶民。
その意味では、グラインドボーンなどそもそもの成り立ちとしてnobility(貴族)を対象としたものとは異なり、ロンドンっ子は誰しも夏の風物詩ともいえるこのイベントに実に気軽に足を運ぶ。
当日売り出す立見席は非常に安価で買える席もあり、安上がりで雰囲気たっぷりのデートスポットとばかりにカップルで繰り出す若者の姿も。

ともあれ、今年のProms。
7月14日の開幕以来三度足を運んでいる。
自分は睡眠病に留まらず(前々回エントリ参照。いや、これは一時的ですが・・・・)健忘症というこれまた厄介な症状を抱えているため、ブログ書き始めてからはコンサート・オペラ・その他アート系イベントは備忘録代わりにブログに書き留める方針を定めた。

とはいえ。
この手のことに絞ってエントリをされている方は素晴らしいと思うのだが、自分の場合はトピックが社会起業家からトイレまであちこちに飛ぶため、はっきりいって執筆が追いつかない。
鑑賞翌日のタイムリーなエントリはおろか、2-3回分まとめて書くという諸々のコンサートへの冒涜を許さざるをえないという状況にごく簡単に陥ってしまう(いや、そもそも行き過ぎ=遊びすぎのご批判は甘んじて受けますが・・・)。

そんなわけで、ごくごく簡単にProms三回分まとめ書き。
音楽にご興味のない方は読み飛ばして下さいませ。

一度目は、7月22日土曜日
(上述の記事を覚えておいでの方はお分かりの通り、日中Turandotを見事に寝飛ばし切った日である。)
演目は以下の通り:
Janacek:   The Cunning Little Vixen – Suite
(edited by C. Mackerras)
Mozart :   Concerto in E flat major for two pianos, K365
Dvorak:   Symphony No. 7 in D minor

Piano:      Till Fellner / Paul Lewis
Orchestra:   BBC National Orchestra of Wales
Conductor:   Richard Hickox

ヤナチェクは、コンサートで聴くのは初めて。今年のイースターにチェコを訪れてから非常に興味を持っていたこともあり、独特の世界に感銘を受けた。
何しろオペラの題材が、Brnoの地方新聞に掲載されていた漫画のキャラクターというところが面白い。

モーツァルトのピアノ・コンチェルトは、自分にとっては今日のハイライトだった。
ピアノ二台のコンチェルトを生で聴く機会にはこれまであまりなかったのだけれど、二者それぞれ異なる表情の演奏を聴くことが出来るのが何ともいえず魅力。
Till Fellmanの音色は明るく歯切れ良く響き、英語で言うなれば’crisp’という表現が似合う(しかもCDのジャケットで見るより実物は余程美男子である。思わず10月のQEHのチケットもすかさず予約してしまった・・・)。
一方のPaul Lewisの方は、やや内向的な感じ。技巧的には上手いけれど、終始抑え気味の演奏といった印象。

メインのドヴォルザーク7番は大好きな曲で、これを聴くために急遽思い立ってチケットを取ったようなものだった。
BBC National Orchestra of Wales / Hickoxというのは決して下手ではないと感じたけれど、とにかくこの曲は、各パートのバランスと調和が何よりも重要だとあちこちのオケが演るのを聴く度に感じる。普段家で聴いているCDがRafael Kubelik /バイエルン放送交響楽団のものなので、芸術的といえるこのバランスを求めて聴くと、他のオケにはやや酷かもしれないのだけれど。


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二度目は、7月26日水曜日
演目は以下の通り:
Webern:   Passacaglia, Op. 1
Shostakovich :    Viiolin Concerto No. 1 in A minor
Brahms:   Symphony No. 4 in E minor

Violin:      Leila Josefowicz
Orchestra:   City of Birmingham Symphony Orchestra
Conductor:   Sakari Oramo

このときも、ほぼプロの音楽評論家であるO氏とご一緒させて頂いたので氏の素晴らしい解説に耳を傾けながら聴くことが出来たのだが、氏曰く「ホルン以外完全にブラスバンドだよね、このオケ・・・」。
確かに、皆がんがんに元気一杯。
ブラームス4番の憂いや溜めとは無縁の世界で、金管は概ねどこも前のめり気味に出てくる。
こんなブラ4も、たまにはいいか・・・・・・。うーん。

ショスタコーヴィチのバイオリン・コンチェルトのバイオリンは圧巻だった。
非常に重厚な音で、とても若い女性とは思えず。音色だけ聴いていると、熟練のオジサンのような野太い音だったのが印象的。

三度目は、8月5日土曜日
風邪で木曜日の夜から丸二日間死んでいたのだが、コンサートのチケットは二度と無駄にするまいと気合のみで外出。
演目は以下の通り:
Stravinsky:   Symphony in Three Movements
Janacek :    Taras Bulba: rhapsody for orchestra
Sibelius:    Pohjola’s Daughter: symphonic fantasy Op. 49
Sibelius:    Symphony No. 7 in C major, Op. 105

Orchestra:   National Youth Orchestra of Great Britain
Conductor:   Sir Colin Davis

これもまたO氏とご一緒させて頂いたのだが、とにかくその人数に驚いた。
木管全て7本ずつ、ハープ5本・・・!!!舞台から溢れそうな人、人、人。
ストラヴィンスキーだけかなと思いきや、インターバルの後のシベリウスになってもこの編成が変わらないので二度びっくり。
要は、NYOのように「xxx Youth Orchestra」という名称のオケは、英国各地の優秀な学生選抜チームなので(どうみても子供としか思えないあどけない顔がちらほら見えると思い帰宅して再度プログラムを見たら、13-19歳の選抜であった)、言葉は悪いが学芸会よろしく全員出しちゃえということらしく。
演奏に関する感想が殆どなくて恐縮だが(全員teenagerの割には上手い。アタリマエか・・・)、二つばかり感想。
一つには、やはり若い頃から第一級の音楽に触れる機会や聴衆の前で披露する大舞台を与えられるのは、彼らの後々にとって非常に重要なのだと思う。枠組みは全く違うけれど、2004に公開された、Sir Simon Rattleがベルリンの様々な生い立ちの子供達250人を集めてストラヴィンスキーの「春の祭典」を見事にperformさせるに至る過程をカメラに捉えた映画「Rhythm is it!」を思い出した。
二つ目。私は俄かクラシックファンなので知識も体験もとても限られており偏っているのだが、日本シベリウス協会の発足会員でもあるO氏解説付の#7はとても心地良かった。恥ずかしながら「フィンランディア」以外殆ど知らなかったのだが、シベリウス、もっと聴いてみよう・・・。
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by canary-london | 2006-08-06 22:32 | music
くだらないことながら、自分の直近のエントリをぼーっと読み返しながらふとおかしな点に気づいた。
該当箇所は、先般の「コンサート報告その7・・・序でながらにトイレ文化論」の文中の
「(英国は)日本とは逆に紙が安価で水が高いため、ウォシュレット自体の経済的な存在意義が低い・・・」
という部分。
これは何気なくウォシュレットに関する他の方の考えを引用させて頂いたものだったのだが。

よく考えてみたら、そんなわけないよな。
英国ではティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙類が異常に高い。
日本のように繁華街の駅前を歩くと途端に3-4個の消費者金融広告入りポケットティッシュを握らされている自分に気づくなどということはあり得ず、ティッシュは必要であれば自分で買うもの(会社の備品も、日本では棚に山のように箱ティッシュが入っている一方、こちらでは必要な人は個人で購入している)。
ちなみにポケットティッシュは日本のように薄くコンパクトなものは存在せず、こちらの薬局等で販売しているものはいずれも紙ナプキンの化け物を6枚ばかり折り畳んで袋詰めにしたものである。
鼻をかむ場合はポケットからハンカチを出してチンとやり、涼しい顔をしてそのハンカチを再びポケットに戻す英国人紳士の習慣が根強く残るのかもしれないが、はっきりいって鼻をかむにはこの分厚い紙ナプキンは使いづらいことこの上ない。

値段は・・・・。
高い。。。。。。。。。
例えば、この化け物紙ナプキン6枚セットの6個パックは、ある薬局ではGBP1.69の値段表示がなされている(現状の為替レート約215円で換算すると約363円である。日本人には俄かに信じられないだろうが、ポケットティッシュ6個のお値段デス。)。

世界の購買力平価についてポケットティッシュ6個という詳細な品目までまとめた調査は見かけたことがないが、近時の日本ではポケットティッシュを「買う」という感覚があまり存在しないのが日常であるため、使いにくいポケットティッシュ一つにつき60円以上も払っている英国在住の我々にとっての生活実感としての紙の高さは計り知れない。

というわけで、前項の自分の記述についてはここで訂正致します。
紙の値段は、どうあっても英国でウォシュレットが普及しない理由の一つではありません。


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ところで、この自分の記述についておや?と思うきっかけになったのが、直近のとある日本の消費者金融会社の決算発表に関する記事。
「xxxxに加え、テレビCMや街頭ポケットティッシュ配布自粛等の宣伝減少による新規顧客数の伸び悩み・・・」のような記述があったように記憶しているのだけれど、あのポケットティッシュが一体どこまで消費者金融会社の営業利益に直接的なインパクトを持つのかは甚だ疑問・・・。
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by canary-london | 2006-08-02 07:07 | culture