ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


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カテゴリ:gourmet( 9 )

前回もスペイン旅行記を書こうと思いながらスタートしたのに、またしても結局「いかにイギリス人が食に無頓着か」について熱く語って終わってしまった。
・・・それにしても、「イギリス人と食」について書き始めると、ノンストップになってしまう。

「どこででもものを食べるイギリス人」は昨今のカナリーウォーフでも、オリジナルの記事を書いた2年前と変わらない勢いで生息している。
夏至の時期に比べるとかなり日が短くなったとはいえ、日中太陽の覗く日は気温も適度に上がり湿度も低いために実に快適な7-8月のロンドン(ちなみに昨年久し振りに8月初めに東京に数日間だけ一時帰国したのだが、「この暑さでは人格が歪むのも無理はない」と真剣に感じた)。
そんなお天気の良い日は、お昼時ともなると、会社の目の前にある広場中心に据えられた噴水の周りは、テイク・アウェイのランチを抱えて、食事と日光浴を兼ねる若者が圧倒的に増える。
この心理には実に共感。
自分もデスクべったりの仕事でなければ、近所で買ったサンドイッチやサラダを噴水の傍らで広げたい、と思う。・・・が、余程静かな金曜日でもない限り、そんな彼らを羨望の眼差しで見ながらいそいそとデスクに戻り、相場を見てディールをこなし、メールを書きながら無機質な一日二食目を終えるのが現実。

一方で理解に苦しむのは、こんな良い時期であるにも拘らず、ショッピングモールの地下通路にところどころ設置されたベンチで、同じようなテイク・アウェイをもそもそと頬張る輩。
行き交う人のごった返す雰囲気と話し声、自分の食事をいちいち覗き込まれる不快感、そして舞い上がる埃を考えると、悪いけれど狭いながらも「自分の空間」であるデスクで食べている自分の方がまだいいのでは、などと思ったりする。

ときに、私は雑誌では英エコノミスト誌と米タイム誌を愛読している。
「統計学」というものがいかに胡散臭くいい加減なものかというのはそれだけで二度でも三度でもトピックになってしまうようなお題だけれど、エコノミストやタイムが向学のためにもまた庶民の野次馬精神からしても面白いと思う部分の一つは、時事ネタと絡めた都合の良い統計学を引き合いに出して、それなりに読み応えのある記事にしてしまうところ。

「食にこだわらない英国人」の対極として、むしろ食にこだわり過ぎて笑い草とされるステレオタイプの国民はヨーロッパでは間違いなくフランス人なのだろうが、何気なくクレジット・クランチ全盛の今年2月のエコノミスト誌の記事を引っ張り出して読んでいたら、思わず笑みがこぼれてしまった。

・・・曰く、未曾有の不景気(2008年はレストラン・カフェの倒産が前年対比26%増加したとのこと)、そして公共の場における喫煙に対する取締強化を受け、従来型の「昼食は意地でもデスクで食べるのではなく外へ出掛ける」フランス人が劇的に減っているとのこと。オフィスから出て、近くのカフェやブラッセリーで’Plat du Jour’(「日替わり定食」が適訳だろうか?)を頼む人は、20代から30代前半の若い世代では減少が著しく、代わりに台頭してきているのが「サンドイッチ」文化。2008年のフランスにおけるサンドイッチ消費量は13億個と2007年を5,000万個上回ったなんてデータ、一見説得力があるようだが数値として信頼できるのだろうか??
記事から6か月が経過し、目先的にしても景気回復を示す兆候が世界のそこかしこで見られるなか、フランス人は再びブラッセリーで「本日の一皿」を優雅に楽しむようになっているのだろうか。是非とも継続的なデータをとってもらいたいものだ。
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フランス人を揶揄したデータついでにもうひとつ引用すると、今年5月18日号のタイム誌
OECDの実施した国別の生活・健康に関するデータによれば、先進国の中で一日・24時間の中でもっとも食べることに時間を割くのはフランス人で、平均して一日の2時間半程度を食事に充てる。これは、米国人やメキシコ人の倍以上に当たるが、より食べることに時間を使わない、且つワークアウト・フリークでもある米国人の肥満度の高さは前回書いたとおり。食へのこだわりと肥満は反比例の関係にあるのだ。
OECDのこの研究、食に留まらず多岐にわたる項目についてのリサーチが行われていて感心するが、フランス人は、1日の平均睡眠時間においても先進国の中で栄えあるトップを獲得。1日平均8.8時間の睡眠時間は、7.8-7.9時間程度と先進国最下位の韓国や日本を大きく上回る。週35時間の上限を課された労働時間といい、仕事では手を抜き(失礼!)、食を愛し恋に生きるフランス人は何と幸せなんだろう・・・と羨ましさを覚えずにいられない結果の数々なのだ。

とはいえ、統計学には限界がある。
私自身親しいフランス人は多数いるが、日々昼食はデスクでサンドイッチを齧り、睡眠は平均して5-6時間程度と平均的フランス人に比べてアンハッピー極まりない人も多数。
・・・これは国民云々以前に、投資銀行という業界の持つ特質なのだろうか。
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by canary-london | 2009-08-11 09:13 | gourmet

グルメ会とオイスター

前回日英の食文化についての話題となったので、続いて久々にグルメの話題。

最近「グルメ会」なるものに誘われ、二度ほど会合に参加している。
5~6名程度と小規模なグループで、「’金に糸目をつけて(笑)’美味しいものを食べに行こう!」
という企画。
発起人である男性の友人二名によれば、メンバー選定にあたり真っ先に私の名前が挙がったとのことで、有難い話ではあるのだが、要はただの食いしん坊・酒好きとみられているということだ(笑)。

この「金に糸目をつけて」という発想、全くもって同感である。
ロンドンほどのコスモポリタンな大都市であれば、お金を惜しまなければそれなりの美味なものにありつけるのは当然。
ロンドンの食生活が「貧しい」重要なる所以の一つは、「安くて美味しいもの」が少ないからだと常々感じる。

かといってこのグルメ会、別に一膳飯屋のようなところへばかり行く趣旨ではないのだけれど、
「relative value(=価格対比の質)」は重要なる評価項目の一つ。
全員の持ちネタが一回りしたところで全ての店を比較評価するというルールも導入したため、若干の競争意識もある。
言うまでもないけれど、美酒・美食に伴われると自然に会話も弾んで楽しい。

グルメ会とは直接の関連はないが、グッドバリューのお店が少ないロンドンにおける私のとっておきの一つは、Piccadilly Circus至近にあるBentley’sという老舗のシーフードレストラン。
目の前で新鮮な牡蠣をさばいて出してくれ(私は生ガキに目がない)、自慢の牡蠣や各種魚介類に合わせてグラスで出してくれる白ワインの品揃えは脱帽もの。
決して安いお店ではないけれど、ミネラルウォーターやパンとバター、食後のエスプレッソなど全てにこだわりをもった美味しさが感じられるレストランというのは、ロンドンではとても貴重なのだ。
日本から友人や出張者が来るときなど幾度となく足を運んでいるけれど、先日行ったら若干味が落ちたようにも感じた。
その日のシェフの体調とか、そんなことも影響するのかもしれない。

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このBentley’s、一階と二階(英国式ではGround floorとFirst floor)があり、一階はオイスターバー、二階はもう少しフォーマルなレストランになっている。
先日初めて階上のレストランで食事をする機会があったけれど、オイスターバーの方がずっと雰囲気が良い。
私が行くのは週末の昼間が多くなるのだが、このオイスターバーにふらっと入ると、大概きちんとした身なりでカウンターのスツールに腰掛け、カキ職人との時折の会話を楽しむ白髪のおじいちゃんを一人二人見かける(おばあちゃんよりもおじいちゃんが圧倒的に多い)。
休日の昼間からグラスワインを傾け、美味しそうに牡蠣を口に運ぶ上品な初老の男性を見るたび、自分も何十年後かには、気張らずに一人でこんな美味なオイスターバーに一人で来られるような老人になりたい!!・・・などとささやかな野望を抱くのだ。
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by canary-london | 2008-08-29 14:09 | gourmet

蕎麦屋で一杯

先般、急な用事のため、非常に慌しい日程で東京を往復した。
日本に戻ると毎度毎度食べ物の話になってしまって恐縮だが(何しろ普段が極端に抑圧されているのだから仕方がない)、東京に戻った際、回数の限られる昼夜の食事のなかで、何とかして一度は時間を作ろうとするのが、「蕎麦屋で飲む」ということである。
「粋な大人の日本人」と思えるような人には、やはり蕎麦屋で飲むことを愛してやまない人がとても多いし(杉浦日向子さんの「そば屋で憩う」がバイブル?)、食通好みの雑誌などでは「そば特集」は定番中の定番である。
日本で愛読していた「dancyu」のような雑誌、ロンドンで同様の試みをしたところで、絶対に売れないんだろうな。

今回は、日曜日の昼間、両親と共に麻布十番のとある贔屓の店に出掛けた。
偶然商店街のお祭りをやっており、いつも混みあう店内もさらに人が多くて活気づいている。
三人で小上がりに上がり込み、ビールに定番おつまみを並べて、最後はせいろでしめるお決まりのパターン。

なぜ人は蕎麦屋へ通うのだろうか。

まずは、言うまでもないことだけれど、「美味しい」から。
シメのそばは勿論のこと、蕎麦屋のつまみは実に美味しい。
いずれもシンプルながらお酒との相性が抜群という、酒飲みにはたまらないメニューばかりなのである。この店の卵焼きなんて、もう絶品なのだ。
(断っておくが、この日は昼間でもありビールに終始。これが夜だとついつい日本酒に手が伸び、長居してしまっていけない。)

もうひとつ、蕎麦屋の雰囲気がたまらなく好き。
我々のように座敷に上がって談笑するもよし。
一方、一人でさっさと(しかも美味しい)食事を済ませたいときにも、蕎麦屋は強い味方だ。
世の中のおじいちゃん・おばあちゃんが一人で気兼ねなく入って食事を済ませられるところとしても、蕎麦屋という業態には最もニーズが高いのではないだろうか(つまり少子高齢化の日本において力強いビジネスモデルだ・笑)。

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そんな様々な客のニーズがあるため、会話に関してなんらの決まりごともない。
「決まりごと」というとやや大げさだが、例えばフレンチ・レストランでは、「ゆっくりと会話を楽しんで下さい」という意味を込め、前菜・メイン・デザート・・と各々がゆったりとした間隔で運ばれてくる。
皆がそうというわけではないけれど、これ、慣れていない日本人にとっては結構辛かったりする(話題の乏しい人には尚更)。
もちろん、日本人としては蕎麦屋へ行くのとフレンチ・レストランへ行くのでは、TPOも違えば服装も(相手も?)違うのだろうから、単純に比較はできないけれど、とにかく、「急いで食事をしたい人」と「ゆっくり食事を楽しみたい人」の両方が混在する蕎麦屋で飲みながらゆっくり会話を楽しむのは、実に心地良いのだ。

・・・といいながら、父との会話は概ね日本のワーク・カルチャーへの批判。
日本でしか味わえない贅沢な環境でそばをすすりつつ、日本批判に終始するのは如何なものか・・・と帰り道には反省半分、我が国ニッポンに対する不甲斐ない気持ちが半分。

この次に蕎麦屋ののれんをくぐるのはいつになるのだろうか?
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by canary-london | 2007-09-20 04:19 | gourmet
前回「食」について書いていたら、旅行記とも何となく絡めて以前から漠然と書こうと考えていた小ネタについて思い出した。
英国でも食に対する「awareness」が高まってきたのは前回書いたとおりなのだが、それでもやはり国際的な比較においては、平均的イギリス人の食に対するこだわりの低さというのは先進国の中で群を抜く(と思う)。

その一つの表れだと兼ねてから私が感じているのが、「どこででもものを食べる」ということ。
道端でバナナやチョコレートバーをパクついている程度なら、「あー、相当お腹減ってるんだろうなあ・・・」で済むが、英国人の「道端食生活」は留まるところを知らない。

スーパーの出口では、買ったばかりの三角パックに入ったサンドイッチをバリバリと開けておもむろに食べ始める。
バス停に行けば、立ったまま出来合いのサラダを頬張る輩も。

この傾向は老若男女にはあまり関係がない。
日本だったら、「若いオナゴがはしたない・・・」的なコメントの一つや二つ聞こえてきそうだが、こちらの若き乙女達は一向に構う様子もなく、いつでもどこでも、パクパク、ムシャムシャ。
それが「ちょっと小腹が減った」という雰囲気で食べているのではなく、十分食事になりそうなものを食べているから不思議。
・・・彼らはつまり、それが昼食なのか何食なのかは良く分からないが、一食の「食事」をそんな適当な立ち食いで済ませてしまうのである。

ここで思い出すのは、女優・エッセイストで且つ料理の名手でもあった沢村貞子さんのお言葉。
母が愛用していた沢村さんの「わたしの台所」や「わたしの献立日記」のレシピの一部は今の私にも引き継がれているが、沢村さんの食へのこだわりというのは、次の台詞に如実に表れている。出所をはっきり覚えていないので一言一句正確ではないと思うが、要はこんな内容だったように思う:
「一日三食しかない食事の中で一食でも不味いものを食べると実に"もったいない"と思う。」
・・・この感覚、A級からC級まで全てのグルメが揃う東京に慣れ親しんでいる日本人には非常に良く分かる。
そして、その貴重な「一食」を地下鉄のホームで二分程度で済ませてしまう英国人には、この感覚は分かる筈もないのだ。

一方、欧州大陸を旅行すると、「どこででもものを食べる」という状況自体は良く似ている(国にもよるが)。

食いしん坊国民の代表格としてフランス人とイタリア人を挙げると(断っておくが誉め言葉だ)、公園の隅ではクレープをムシャムシャ、ベンチではパニーニをパクパク・・・と一見同じような構図。
けれど私は二つの間には本質的に差があると思っている。
フランス人やイタリア人の行動が、「美味しいものは食べたいけれど、家に帰るまで我慢できないので今食べちゃえ!」という衝動に突き動かされている(失礼!)一方、イギリス人のそれは、本当に食にこだわりがないがための「ながら食」なのだ。

そういえば、高校生時代にロンドンで見かけた中でもっとも凄かった「ながら食」は、朝のラッシュアワー(といってもこちらでの混雑は可愛いものだが)、地下鉄の四人向かい合う座席に座り、おもむろにマクドナルドのホットケーキ・ブレックファストをフォークとナイフでエレガントに食べ始めた見知らぬ英国紳士である。
その出で立ちが山高帽にモーニングのようなフォーマルな黒ずくめにステッキだったため、あまりに異様な取り合わせに紳士に見とれることしばし。
この例は極端だが、とにかく「ながら食」との遭遇率が高い街なのだ。

・・・と書いたところで、ふと冷静に自分の平日の食生活を振り返ると、朝食も昼食も血走った眼でコンピューターの画面を見つめながらのデスク食。
最ももったいない「ながら食」をしているのは実は自分ではないか!?と気づいてやや暗い気分になってしまった。
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by canary-london | 2007-08-04 02:37 | gourmet

食について・再び

国における食生活の乏しさについては何度も書いている上、私なんぞが書かなくてもリンボウ先生やシラク・前仏大統領などが様々な名言・迷言を残してきているため、敢えて繰り返す必要もないだろう。
ただ、自他共に認める英国びいきの私に限らず、周囲の友人・知人の多くに同意を得られるのは、「それでもイギリスは”おいしく”なったよね」という点である。

私が初めて父の赴任に伴ってロンドンにやってきた1988年から数年間の滞在期間は、おしなべて外食というものは50/50の賭けだったように思う。
当たれば良いが、外れるとまたその外れ方が並大抵のものではないのだ。

一つの側面として、海外から良い刺激を受け続けている環境が挙げられる。Harrodsに店を構えるフランス・Ladureeのマカロンはちょっとしたお使い物やおもてなしのときに欠かせない。
東京では未だに買えない(と思う)絶品マカロンがロンドンでは買えるということ自体、欧州大陸に近いという地の利以外に理由はないのだが、何とも有り難い話である。

食文化の輸入源という意味では、米国も独特ながら重要。
目下二人いらっしゃる私のピアノの師匠の一人である青木理恵先生がNY在住時代から愛用していたとのことで期待度大の「WholeFoods」が、先月我が家から実に徒歩5分の場所にオープン。
先日やっと覗く機会があったのだが、フレッシュな食材もさることながら、「これ買いたいっっ!」と思わせるような空間の使い方・食材の配置の仕方には舌を巻く。
幼少時代を過ごした米国で慣れ親しんだアメリカン丸出しの食材もあれば、アジア食材も意外に充実しており好感度◎。

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総床面積は80,000平方フィート(約7,432平方メートル)と巨大。
地下および一階の上に広がる350席の広大な「Food Hall」も圧巻。
食材の陳列されるスペースと調理されるスペースが隣接しているために無駄が少ないらしく、このような形態のレストランの席数は増加傾向にある。
ロンドンでは最も大きいのがHarrodsの28ヶ所に及ぶレストラン・計1,839席であり、Fortnum&Masonの600席、Harvey Nicholsの450席と続く(数字の出所: FT)。

Harvey Nichols・5階のレストランを手がけたDominic Fordは、今年中にロンドン西部に「Food Inc」を、そして2008年にはIslingtonに「Union Market」を、いずれも同様のコンセプトで立ち上げる見込み。
何にせよ、食に関するawarenessがここイギリスでも高まっているのは喜ばしいことである。
真に「おいしい」イギリスを目指して、頑張れロンドン。
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by canary-london | 2007-07-31 03:46 | gourmet
またしても発見してしまった。
ロンドンでは貴重な、「絶品!」と客を唸らせるお味のレストラン。
本当は紹介しないで隠しておきたいぐらいなのだが、皆様とシェアさせて頂きたく。

先月27日の「キー様」のコンサート終了後、会場のBarbicanに程近いベルギー料理の店で
「白ワインとムール貝をつつこう!」
と女性三人で勇んで出掛けた。
のだが。
雨の中をお店に辿り着くと、シャッターは下りたまま。
何を隠そう、実はそのほんの数日前に同じメンバーでトライし、
「やっぱり日曜日だから閉まってるねえ」
と諦めてテキトウなイタリアンでお茶を濁したばかりだったのだが、よくよく見れば
「10月半ばまでお休みします」との張り紙。
改装中だったのか。

そんなわけで、近場でうまい代替案はないものかとキョロキョロ。
ロンドン在住最長のSさん(別名その1:moonhigh、別名その2:山本リンダ)の
「あ。ここって、(すぐ近くにある)Club Gasconの廉価版だ。一度来てみたかったのよねー。」
の一言でキー様終了後の興奮状態で空腹に拍車の掛かった女性三人、即決で入ったのがComptoir Gascon

店内は殺風景という訳ではないのだが、照明が暗くコンクリートの打ちっぱなしのような床、木のテーブル・椅子といったラフな雰囲気からか、レストランというよりもワインセラーという風情。
オープン当初から割と最近まではただのデリだったというのだから驚く。

我々が足を踏み入れると、満席だったのだが、丁度食事が終わった風の男性三人組が気持ちよくテーブルを空けてくれる。
店内の黒板には、本日のお薦めの一覧。
ここは南西フランスの料理およびワインに特化した店らしく、その名の通りガスコーニュ地方のスペシャリティに加え、スペインとの国境のバスク地方のキュイジーヌもちらほら。

自分は高級な方のClub Gasconには行ったことがないのだが、Sさん曰く本家の方は少し気取っておりコストパフォーマンスの高さでは突出したものはないとのこと。
しかし何しろ、ガスコーニュ地方。
軽く検索すると、フォアグラとアルマニャックの生まれ故郷と出てくる。
食道楽の集まる地らしい。

f0023268_6272378.jpg1. とにかく料理のクオリティーに脱帽
この日は、白身魚や貝を贅沢に使ったシーフード料理一品、バスク風サラダ、そして「ガスコーニュ・パイ」という牛肉を使用したパイの3品を三人でシェア。
この日は残念ながら前菜に頼もうと思ったフォアグラがなかったので前菜をスキップしてしまったのだが、後からレビューを見ると、豚の耳やら足やらあらゆる部分を調理した前菜’Piggy Treat’が人気メニューの模様。
3品ともが非常に美味だったけれど、特にシーフードそして野菜が美味だった。
エシレのバターを添えて出されるこだわりのパンも逸品。

2. ワインについて
美味しいワインを飲むのは至福だけれど、さして詳しい訳ではない。
味さえ美味しければ、どこぞの有名シャトーのものでなくても良いではないか。
聞き慣れない銘柄ばかりが並ぶが、何しろリーズナブル。
手頃な値段の赤を選んだところ、お料理に合って実に美味しい(怠けて銘柄は控えてません・・・)。
ワインもこの地方からの厳選らしく、同じ土地の料理とお酒は相性ぴったり、の典型例。
フルボトルは少し多いという場合、420ml程度のデキャンタのサービスがあるのも嬉しい。

3. サービスについて
このときにはサービスが特別印象に残ったということはなかったのだが、同行した二人は先日早速別の友人数名と二度目の訪問を決行したらしく。
会計の際に合計金額をみて顔を見合わせていると、横から素早く電卓が差し出される。
この手の気配り、悪いけれど英国のレストランではなかなかお目にかかれない。

Barbican Centreのお膝元という絶好のロケーション。
これからも頻繁にお世話になるに違いない・・・。
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by canary-london | 2006-10-23 06:28 | gourmet
たまには「グルメ」というトピックで書こうと思って自分のエントリをカテゴリ別に眺めると、8ヶ月間のエントリの中で「グルメ」は2件しかなかった。
さすがロンドン。

と、すべて英国の食事情の乏しさのせいにするのはいけないな、と反省。
格別美味しくもないサラダやサンドイッチを仕事の傍らデスクで食べるランチタイムに毎食5-6ポンド(円安になりつつある現状では1100-1300円程度)払わされるサラリーマンの身としては文句の一つも言いたくなるのだが(私は仕事の性質上ランチを外で食べるのは稀である)、各国料理を外で食べるにあたっては大都市だけにそれなりに美味しいチョイスもあるわけであって。

最近の美味しい体験。
互いに良く似た境遇であることも手伝い、オペラにコンサートに旅行にと非常に親しくして頂いた友人が7月末に日本に帰国してしまったのだが、彼女の送別会・バージョン1として女性二人で出掛けた先は、ロンドン中心部から少々南西に位置するWandsworth/Clapham エリアの一軒家フレンチレストラン、「Chez Bruce」。
渋滞もあって我が家からは車で40分程度。はっきりいって場所の便は良くないのだが、それを補って余りあるお料理とサービスのクオリティーだった。

1. セッティング
ロンドンのど真ん中だと「一軒家フレンチ」にもあまり風情がないが、広大な公園であるWandsworth Commonを窓の外に望み、陽光がいっぱいに射し込むように窓を広く取った店内は明るい雰囲気。
敷地が狭く隣のテーブルとの距離が至近なのが気になるところではあるが、壁に掛けられたシンプルな絵画も生けられた花にも細やかな気遣いが感じられる。

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2. お料理
日本人の口に合うような繊細なフレンチ、久しぶり。
東京にもパリにもあるけれど、ロンドンではあまりお目に掛かったことがなかった(普段高級なところへ行かないからかもしれないけど・・・)。
自分は、前菜にはトマト・モツァレラに松の実をアクセントに効かせた冷たいガスパチョをチョイス。メインはvealの薄切りを温かいサラダ仕立てにしたものを、そしてデザートにクレームブリュレを選んだが、いずれも味・量共に申し分なかった。

3. サービス
ロンドンのレストランではサービスの質に幻滅することが少なくないのだが、ここのサービスには非常に好感を持った。ウェイターやソムリエの数が多過ぎると何とはなしに居心地が悪いが(少ないと用が足りないし・・・)、丁度良い布陣。
いずれも出しゃばらないが、必要なときには軽い合図で素早く登場する。
ソムリエになると、ワインをサーブするタイミングで軽妙なトークも。
こういうサービス、どこのレストランも心がけてほしいもの。

これだけのクオリティーになるとお勘定が恐い、というのが世の常だが、料金設定は比較的良心的で財布にも優しい。
つまり、少し遠いことを厭わなければいいことづくめのレストランではないか。
食べたものの写真がないのが残念だが、また足を運びたいと思っている。
ロンドンにいらっしゃる機会があれば、是非お試しあれ。
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by canary-london | 2006-08-12 21:44 | gourmet
こちらに来てトピックにすることはあるまいと考えていた「グルメ」について前回書いたところ、意外にも反響がたくさんあったほか実は自分で書いていてもなかなか楽しかった。
調子にのってグルメネタで引っ張るけれど、今回は飲み物と「郷に入れば・・・」について。

英国はさすがにBoston Tea Partyの舞台だけあり、またHigh TeaやAfternoon Teaが今も市民権を得ている文化であるだけあって、紅茶を良く飲む。
私は母の影響もあり、Fortnum&Masonの紅茶が大好きだ。特に、アッサムの茶葉をベースにして作られた「Royal Blend」。フレーバーティーなども楽しいけれど、色々飲んでも結局最も飽きないこの味に回帰することになる。
このRoyal Blendの中でも、毎年(かな?)テーマを決めて装飾される特別な缶があり、そのスペシャルな缶に丁寧に詰められた1707年創業の老舗Fortnum&Masonの紅茶は、有難味プレミアムもあってより美味しく感じたりして。
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ときに、イギリスで飲む紅茶は美味しいと思う。こちらの石灰が多い水(=硬水)は、手や毛髪が荒れたり、食器ややかんに残った水が付着して白くなったり・・・とプラス面は少ないのだが、こと紅茶を入れるとなるとこの硬水と紅茶の茶葉が相性抜群なのではないかと思う。
と書きながら、同じ硬水であるフランスでは定番はカフェオレ。これはイギリス人と犬猿の仲であったところから来てるのだろうか?誰か知ってたら教えて下さい。。。

その代わりというべきか、コーヒーはあまり美味しいものがない。
天下無敵のスターバックスが当然ロンドンにも大規模進出を果たし、街を一ブロックも歩けばスターバックスに当たる状態ではあるが、ほぼカフェイン中毒の私にとってこちらのコーヒーはどうも何だかイマイチ。

f0023268_66519.jpgイタリアのカフェも多くあるのでイタリア系の店に入るとエスプレッソ等それなりに美味ではあるのだが、東京では自宅では珈琲工房ホリグチの豆を挽いて淹れて飲む/外では一杯800円払おうとも時間の許す限り渋谷・羽當の珈琲を飲みに足を運ぶ(現実的には時間が許さず諦めることばかりだが)プチコーヒー通の私には、これは寂しい。



極めつけは、昨年6ヶ月ロンドンに暮らしたとき、こちらでコーヒーポットを買いに行って愕然。
仮住まいだし、豆から挽きたいとまでいわないので、フツウのKALITAの三つ穴のフィルターおよびコーヒーポットを探しまわること延々30分。
ない。
どこを探しても、ない。
こちらでいうところの「コーヒーポット」は、日本では紅茶を入れるのに使うような、ポットの底に粉末状態にしたコーヒーを直接入れ、お湯を注いで金具をプレスして抽出する形であるとの結論に達した。
こんなもんでコーヒー淹れられるかっつーの。
というわけで、今回は旦那に「悪いけどもう一つ買ってね!」と家にあったフィルターとポットを失敬してきた。
航空便、早く来ないかな。

郷に入れば郷に従えというけれど、やっぱりこちらでは紅茶派に転向かなあ。
週末はフォートナムで紅茶を買わねば。
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by canary-london | 2006-01-13 06:12 | gourmet

英国グルメ事情

表題を見て「おやっ?」と思うかもしれない。
それぐらい、英国と「グルメ」というコンセプトは結び付きが少ない。フランスのシラク大統領は、2012年オリンピック開催地がパリとロンドンとで争われる中で「あんなに料理の不味い国の国民なんて信用できるわけがない」とコメントし顰蹙を買っていたが、シラク大統領の気持ちもまるきり分からんでもない。このコメントが仇になったのか、パリは結局僅差でロンドンに敗北したのは7月6日、他ならぬロンドンでの同時多発テロの前日だった。私はこのときも数ヶ月の短期転勤でロンドンに滞在しており、運命のあやというべきかこの二つの出来事のタイミングに何ともいえぬ思いを抱いたものだが、それについてはまた別の機会に書くこととして。

家族と共にロンドンで生活していた1988-1991年は、確かに英国の食生活事情というのは「ひどい」ものだったと思う。今でも、別にfish&chipsに代わる英国の国民的料理が出来たとかいう訳ではないのだが、外で食べるもののqualityがとにかく低い。米国のように油たっぷり・肉の塊礼賛ということでもないが、とにかくこだわりがないというか。
それに比べると、今は全般的な水準がかなり改善されたといえるだろう。美味しいものを食べようという意識と同時に、ヘルシーに食べようという意識も高まっていて、回転寿司をはじめとするなんちゃって日本食をあちこちで見かける(サンドイッチ屋でtake-away用のお寿司を売っていたり)。またこちらでも、学校給食の質改善を訴えた料理人Jamie Oliverが一躍セレブになってしまうなんて、ひと昔前ではちょっと考えられなかったと思う。

こんな国の「グルメ事情」については、書きたいことは実は意外に結構たくさんあるのだが、今日はロンドンでの外食についてちょっと書いてみます。ロンドンも国際的な大都市なので、それなりにお金を出してそれなりにちゃんとしたところへ行けば、各国料理はそれなりに美味しく食べられる(物価が異常に高いので「それなりに」の水準は高いが)。

1. インド料理
食事情については救いがたいロンドンでも、インド料理には賞賛の声が多い。シティそばの「Brick Lane」界隈は安価なインド料理の店が多く有名だが、この道自体は何となく札幌のラーメン横丁的になってしまい、実はこの道から少し外れたところの方が美味で賑わっていたりする。日本からロンドンに赴任したという意味では先輩の弊社の若手W君に昨年連れて行ってもらった、Fieldgate St.の「New Tayyab’s」は、ドリンクは自分で持ち込み。非常にチープでびっくりするぐらい美味でした。
目先の違ったインド料理では、12月に来英して間もないときに友人に連れて行ってもらったTrafalgar Sqそばの「Mint Leaf」。上気のNew Tayyab’sのように安くて美味しいインド料理が多いロンドンでは酷評されることも多いようだが、フュージョン系のトレンディースポットという風情の割には味は悪くなかった。

2. Gordon Ramsay系
東京でも、2005年7月にオープンした汐留のコンラッド内のレストランとして日本初進出を果たし注目を集めているイギリスの3つ星レストラン「Gordon Ramsay」。最近このカジュアル版が幾つか出来ており、このうちの一つ「Boxwood Cafe」にも12月に友人に連れて行ってもらったが、KnightsbridgeのBerkeley Hotelという洒落た場所柄もあり、雰囲気も良く味もなかなかでした。

3. 家のそばのフレンチ!
今の仮住まいであるSloane Sqには、ロンドン在住のフランス人が絶賛する目先の変わったフレンチ「Le Cercle」が。実は私の仮住まいの地下にあるのだが。先日友人と初めて行ってみたのだが、スペインのTAPASをフランス風にアレンジしたものとでもいうべきか。一皿の量が本当に控えめなので、色々な味が楽しめるのは女性としては非常に嬉しいところ。地下というロケーションのハンディを感じさせない雰囲気づくりも見事でした。

お醤油なしで過ごせない和食派の私としてはイギリスでの食生活はなかなか厳しいのですが、頑張ります。
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by canary-london | 2006-01-08 23:48 | gourmet