ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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カテゴリ:music( 21 )

O2とコンサート

週末のロンドンは季節外れの雪に見舞われるなど空模様は大荒れだったが、そんな中で土曜日の夜はロンドン南東部・Greenwichに程近いO2 Arenaへ。
近年は専らコンサートといえばクラシックにしか足を運ばなくなってしまったが、たまたまご招待にあずかりEaglesのコンサートを覗きに行った。

O2 Arenaへ足を運ぶのは一月のスパイス・ガールズ(!)のコンサートに続いて二度目。
さらに言えば、同じO2の中に位置し、二万人を収容するArenaに比べてより小規模な2,350人収容の小ホール・Indigo2へは、毎年クリスマス恒例の行事である会社のチャリティー・イベントで昨年末に初めて行く機会があったので、実はこの会場自体に行くのは三度目ということにはなる。

話は本題から脱線するが、当地に在住し当地の会社(英国企業ではないが・・・)に勤めていると、何かにつけチャリティーというものに触れる機会が多い。
会社として、毎年従業員の選挙に基づき特定のチャリティー事業を推進する団体を一つ選び出し、多大なるサポートを与える一環として、実に様々なイベントが開催される。
O2の小ホールで行われた件のイベントといえば、何のことはない、会社をあげての大カラオケ大会であった。
合計人数一万人を超すロンドンオフィスの人員の中から十数組しかエントリするツワモノがいない中で、弊グループの二人のマネージング・ディレクターは両者ともそれぞれにチームを組んで参加しているのだから、チームとしてバイタリティーがあるといえば聞こえはいいが、アイツらは本業に真面目に取り組んでいないのでは・・・なんて批判の槍玉にも上がるのが弊グループの面々であったりもする。

ともあれ、このO2 Arena。
ハリネズミのような外観が印象的なこのドームは21世紀を目前にした2000年1月から12月までの一年間、’Millennium Dome’と名付けられ21世紀記念万博の主会場に。
しかしながらこのプロジェクトは財政的にほぼ破綻状態。
2000年末に終了すると同時に、ハリネズミ・ドームはお払い箱となり、2005年5月末にO2(現在はスペイン・Telefonicaの傘下にある通信会社・O2)が買収すると同時に、Millennium Domeから改名。
約二年掛けて改修が進められ、2007年6月にBon Joviのコンサートで再び幕を開け、その後はコンサートや各種スポーツ・イベントだけでなく、広大なシネマ・コンプレックスやレストラン・スペースも擁する一大エンターテインメント施設として発展をみている。

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ロンドンはそれまでというもの、この手のコンサートといえば会場は大体において北西部の          Wembley Arenaと相場は決まっていたのだが、O2は私の勤務先から近いというだけでなく、アクセスは格段に良くなったことと思う。
前回は同僚の車に便乗させてもらったところ、帰り際には混沌状態の駐車場から抜け出すのに一苦労して「さすがイギリス」の感を強めたものの、公共交通機関を使う限りにおいてはさしたる不便もなく、設備・セキュリティ・施設内のレストランの充実ぶりなども申し分ない。ここの再開発が2012年のロンドン・オリンピックにどこまで触発されたものであったかは知る由もないが、わずか四年後に迫ったオリンピックに向けて気を吐くロンドンの象徴ともいえる場所になったといえる。

ところで、Eagles。
黒のスーツの上下にダークなネクタイという出立ちでメンバーが登場し、面食らった。
グレン・フライはオジサンになっても格好いいが、ドン・ヘンリーは数サイズ大きくなった印象。でも相変わらず歌は聴かせる。
私はさすがにEaglesをリアルタイムでがんがん聴いている世代ではないけれど(そんな年齢ではない。念のため。)、定番のナンバーが流れると「おお、これこれ」と聴取が思えるバンドというのはやはりスゴイ。
2007年に発表された’Long Road Out of Eden’の曲はあまり分からなかったが、           Hotel California、そしてアンコールで歌った DesperadoやTake It Easyなどは、何とはなしにメロディが口をついて出てくる。
翻って現在のロック・ポップのミュージック・シーンを見ると、遡ればビートルズやストーンズに代表された「皆が知ってる」普遍的なメロディというものにはなかなか出合えなくなったと感じざるをえない。
時代の変化といえばそれまでなのだけれど。
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by canary-london | 2008-04-08 07:49 | music

ネトレプコ!

今日は、Royal Opera HouseでVerdiの「La Traviata(椿姫)」を観てきました。
ネトレプコは、今回初日の1月14日に出演して各方面で大絶賛を浴びた後、二回目にあたる17日からは気管支炎の悪化でキャンセル。
結局続く20日と23日も休んでしまったものの、26日の土曜日には復活し、元々彼女の出演する予定日の最終日であった今日・29日は・・・
出てくれました!

最近は音楽やオペラの批評はどうも自分向きではないことに気付いてすっかり書くことを諦めており、今日も詳細は省略しますが、とにかくひたすらネトレプコの存在感・歌唱力・演技力・魅力を満喫した公演でした。
終演から3時間以上も経った今こうして文章を書きながらも、やや放心気味です。

より専門的なレビューは、1月14日の初日にいらっしゃっているdognorahさん・bibingaさん(記事新聞レビュー)のページをご参照下さい(写真もあるし)。
Bibingaさんの引用されている新聞各紙レビューの中で、FTとGuardianの記者の二人ともが「Once in a generation」という表現をするのも納得です。
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先週土曜日は、Barbicanでナタリー・デッセイの素晴らしい美声を聴く機会に恵まれ、続いて今日のネトレプコ。
デッセイとネトレプコでは、年齢もタイプも違えば「格」も異なるのかもしれませんが、期せずして近いタイミングで、美貌と美声と強さを全て兼ね備える二人の女神にパワーをもらいました。

今週も残り三日間、頑張らなければ。
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by canary-london | 2008-01-30 10:52 | music

バルトリ初体験!

少し前のコンサートになるが、昨年12月19日にBarbicanでメゾソプラノ・Cecilia Bartoli(チェチーリア・バルトリ)の歌を聴く機会に恵まれた。
コンサートについては、最近そもそも更新ペースが亀ほども遅く、書き上げた頃にはすっかり旬でなくなってしまうということ、さらに友人・知人の方々で私より格段に面白く専門的な分析をされている方が多いため(dognorahさんbibingaさんなど)、最近ではすっかり書くことをやめてしまった。

が、初めて聴くBartoliの歌とパフォーマンス全体が実に素晴らしかったので、記録に残すという意味で一言。
そもそも驚異的なスピードで完売してしまうチケットを瞬発力ゼロの私が手に入れられる筈もなく、今回のチケットは親しくして頂いているKさん(=時折本ブログにもコメント頂くPrimroseさん)がご親切に譲って下さったもの。
2008年がちょうど生誕200周年となる19世紀のソプラノ、Maria Malibranに捧げられた今回のコンサートの演目はバラエティにも富んだものとなっていた:

Garcia: Overture from La figlia dell’aria
Persiani: ‘Cari giorni’, introduction and romanza of Ines from Ines de Castro
Mendelssohn: Scherzo in G minor from the Octet Op. 20
‘Infelice’, scene and aria for voice, violin solo and orchestra, London version
Rossini: Tempest from Il barbiere di Siviglia
‘Nacqui all’ affanno… non piu mesta’, scene and rondo of Angelina from La Cenerentola
********************
Donizetti: Andante sostenuto from Concertino for clarinet in B flat
Rossini: ‘Assisa al pie d’un salice – Deh calma’, Willow Song and Prayer of Desdemona from Otello
Overture from Il Signor Bruschino
Balfe: ‘Yon moon o’er the mountains’, ballad of Isoline from The Maid of Artois
Hummel: Air a la Tyrolienne avec variations
Beriot: Andante tranquillo from Violin Concerto No. 7, Op. 76 in G
Bellini: ‘Ah, non credea mirarti…Ah, non giunge’, aria and cabaletta of Amina from La sonnambula

上記に加え、アンコールは自前のバンドとダンサーを従えてのフラメンコを含む三曲と、予定時間を大幅にオーバーするサービスぶりに感動。
会場も最後はほぼ全員スタンディング・オベーションという熱狂に包まれた。
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コロラトゥーラの声質も素晴らしいが(風邪とのことだったがそれを全く感じさせない熱唱だった)、それを更に引き立たせるのは彼女のチャーミングな人柄、そして「やっぱりオペラ歌手=女優なのねっ」と思わせる舞台での立ち居振る舞い。
「華」があるとは、正にこのことか。

とてつもない大物なのに、まったく大物ぶらない。
40歳を超える年齢ゆえ、若手の「ビジュアル系」(笑)オペラ歌手と比べると二の腕や背中の肉が気になるのは否めないが、年齢を感じさせない少女のようなあどけなさがある。
それはおそらく、先にも書いた周囲をぱっと明るくさせる彼女の人柄に加え、Bartoli自身がパフォーマンスの一つ一つ、一瞬一瞬を心から楽しんでいることからくるのだろうと思う。

とにかく、「顔筋」が柔らかいことには驚いた。
常に笑顔を絶やさないのだが、笑みにも様々なレパートリーがあり、基本は口だけでなく目も笑うこと。彼女の場合は、頬などを含めて顔全体で笑っているとすらいえ、さながら「笑顔」のレッスンを受けているかのようだった。

・・・こんな人、ちょっといない。
私が最も尊敬する女性オペラ・シンガーはマリア・カラスから変わることは生涯ないと思うが、マリア・カラスにはこんな明るく健康的な女優としての魅力はない。
彼女の波乱万丈な人生を考えれば、まあ当然といえば当然のことなのだが。

蛇足ながらもう一点。
私がBartoliに好感をもったもう一つの点は、2時間半におよぶコンサートの間一度も衣装を着替えなかったこと。
アンジェラ・ゲオルギューは非常に愛らしく素晴らしいが、彼女のコンサートに行くと、はてコンサートに来たんだっけ、ファッションショーに来たんだっけ?
と真剣に悩んでしまったりする。
「私は声と表情で勝負!」という女っぷりのよさがカッコイイなと思うわけなのである。

ロンドンでは歌う機会の少ないBartoliであるが、次回彼女が登場する際には苦手な瞬発力を何とか発揮して、是非ともチケットを入手しなければ。
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by canary-london | 2008-01-07 13:49 | music
2007年、年初より音楽人生の方も快調なスタート。
昨年のある時点で宣言した通り、コンサート報告については今年も限定的に留めていくスタンスを保ちたいと思っている。
何しろオトウサンの日曜大工の域を出ない素人評のためおそらくは読むに耐えないということに加え、「はてあれって何だっけか?」とネットで下調べをしている時間が妙に長かったりして、コンサート評は真面目にしたためようと思うと意外と時間の掛かるものなのである。

12月に引越したため自宅から少し遠くなったとはいえ相も変わらず入り浸っているBarbican Centreでの今年のコンサート初めは1月6日土曜日だったのだが、先週の水曜日・1月10日は今をときめく若手指揮者(といっても31歳になった今、既に第一人者の風格を備えてはいたが)・Daniel Hardingの指揮によるマーラー9番。
初めて観るHardingの指揮ももちろん感動に値するものだったけれど(私の右隣に座っておられたヒロ・ミヒャエル小倉氏は、本日の演奏全般に関してはやや不満が残った模様だったものの終始「あの左手がスゴイよねー」と左手で指揮のジェスチャーを繰り返していらっしゃった)、本日一言コメントしたかったのは毎度ながらに、素晴らしい音楽に豊かな色彩を加えて下さる大先輩各位。

前述ヒロ・ミヒャエル小倉氏は某メーカーで世界各国を飛び回るモーレツサラリーマン生活とフルート奏者兼音楽評論家と幾つもの顔を併せ持つ恐るべし人物。
びびんが氏も、私と同じ金融業界でのお仕事とフルート奏者としての陰の顔を両立していらっしゃる上に、ワインを語らせる若しくはキッチンに立たせると右に出る男性なしというツワモノ。
言わずと知れた私のピアノの師匠、尊敬する青木理恵先生

そして今回初めて上記面々を通じて初めてお目に掛かる幸運に恵まれたのが、以前よりそのブログの内容の濃さにただただ脱帽、敬愛するdognorah氏

コンサート終了後の小倉氏行きつけのイタリアンで美味なるパスタを囲んだ5人のディナーでの話題も尽きない。
兎に角皆さん、湧き出る泉のような知識量と経験と記憶力。
いずれもない自分はただひたすら耳を傾けるばかりだが、「好きこそものの上手なれ」を地でいっているのだな、と感じる。

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ちなみに、自らのライフログにも載せてしまっているマーラー9番。
やはりコンサートで聴くのは格別。
とはいえ、実は昨年1月も同じことを自分のブログで書いており我ながら進歩なしの思いを強めるのだが、マーラー9番の4楽章の最後などになると、指揮者が棒を振り下ろさないうちは
「え??まだ何かの楽器が響いてるんだっけ???」
と問いかけたくなるほどの静けさ。

本日もロンドンの聴衆は、そんなピアニシモx3ぐらいのボリューム設定にも構うことなく咳が絶えないのには、昨年1月と全く同じ失望感を抱いた。
昨年までは漠然とイギリス人は音楽会での周囲の騒音をあまり気にしないズボラな人々なのかと思っていたのだが、もしやこれはクラシックのコンサートに現れるのは年輩者が多いという少子高齢化が現在の日本に匹敵するスピードでかなり以前に進んだ英国の抱える問題か!?
だとすれば、日本のコンサートも咳払いと啜り上げる鼻水の音に悩まされるのは遠い将来ではない。
より深刻な少子高齢化の問題もさることながら、これは由々しき問題である。

最後になってしまったが、本日の演目および演奏者は以下の通り:
Mahler: Symphony No. 9
Staatskapelle Dresden / Daniel Harding
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by canary-london | 2007-01-17 07:58 | music
前回「今後のコンサート報告は限定的にします!」とディスクレを述べてから、ぱったりとコンサートについての記述が減ってしまった。健忘症のため、忘れたくない数々のコンサートについては実は個人的な覚え書きは書いていたりする。
しかも行く頻度も、実はあまり落ちていなかったりして。
うーん、極端は良くないな。
反省。

ともあれ、今日は土曜日に訪れた友人のコンサートについて。

イベント自体は、60数年前ビルマを中心に戦を交えた英国と日本の大戦における戦いの歴史についてより理解を深めようとの目的から開催された、その名も「Japanese-British Reconciliation」という会合。
シティはLiverpool Street駅に程近いSt. Ethelburga’s Churchという教会が舞台となった。

フルートを奏でるのは、「おぐりん」ことヒロ・ミヒャエル小倉氏。
実はこのブログにもこれまでに(謎の)の「O氏」として数限りなくご登場頂いているのだが、晴れて実名での掲載OKの許可を頂き、今回ご紹介している次第。
世界中を飛び回る忙しいビジネスマンでありながら、音楽ジャーナリストとしてのお仕事は実に精力的。
コンサートにご一緒させて頂くと、指揮者やオケを問わず必ずメモを取りながら耳を傾ける演奏者へのリスペクトには脱帽。
数々の名演を聴いて来られてきた小倉さん、そのフルートの腕前はプロ顔負けである。

ピアノの伴奏は、我が師匠の青木理恵先生
小倉さんや他の方の伴奏はロンドンに来てから何度か聴かせて頂く機会に恵まれたのだが、理恵先生の演奏もとにかく素晴らしいの一言に尽きる。

伴奏というのは、主役ではなく言ってみれば付け合せの野菜やお刺身のツマという立場なので、これが実に難しい。
出しゃばり過ぎてはいけない。
しかし、地味になり過ぎても存在意義が感じれられない。
伴奏者たるもの、間違えずに弾くことが前提とされているのだから恐ろしい。
理恵先生の伴奏は、こんな基本的なポイントを押さえているのは勿論のこと、主役が気持ち良く演奏出来るようにとの本当に細やかな気配りが感じられる。

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そんな息もぴったりのお二人の演奏を聴きながら、夢見心地な気分に浸らせて頂いた。
演目は以下の6曲:
ゴセック「ガボット」(‘Gavotte’ by F.J. Gossec)
ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」(‘La fille aux cheveux de lin’ by C. Debussy)
ドビュッシー「アラベスク 第1番」(‘Arabesque No. 1’ by C. Debussy)
ドビュッシー「小さな羊飼い」(‘The Little Shepard’ by C. Debussy)
ドビュッシー「レントより遅く」(‘La plus que lente’ by C. Debussy)
ヘンデル「ラルゴ」(‘Largo from Xerxes’ by G.F.Handel)

最初こそ少し硬さが目に付いた小倉さんだったが、すぐに持ち前の明るく艶やかな音色が響き始める。後半に掛けてどんどん艶は増し、ドビュッシーの「レントより遅く」、それにヘンデルの「ラルゴ」の高音は実に素晴らしかった。

先般触れた「他人に手触りの幸福感を与える」ということなのだが、ごく身近な友人・知人に与えてもらえる驚くべきチカラの源。

今週も一週間頑張ろう。
一方で「自分が他人にどんな幸福感を与えられるのか」という質問については、当分答えが出そうにないのだけれど。
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by canary-london | 2006-10-17 08:20 | music

放心・その2

親しくお付き合い頂いているmusicaholicの方々の中でも、Evgeny Kissinの人気には目を見張るものがある。
女性には特に人気が高く、「キーシン」などと呼び捨てしようものなら大変である。
「キーシン」ではなく、「キー様」。
(殆ど「神様」と同義語として使われる・笑。)

本日はその「キー様」の演奏を聴くため、Barbican Hallへ。
不勉強の私は、CD・コンサートのいずれにおいてもキー様初体験となる。

彼女達が夢中になる理由が、一瞬にして分かった。
音楽を通じてこれほどのシアワセを他人である聴衆の我々に与えてくれる素晴らしき芸術家を表現するのに、多くの言葉は要らない。
冗談ではなく、「生きててヨカッタ」という心持ちになるのだもの。

一般人に比べて圧倒的に涙腺が破裂した水道管状態になりやすいワタクシ、実は前回放心した8月30日のLang Langの演奏のときにも涙してしまい、「うーん、24歳に泣かされてしまった・・・」と思っていたのだが、今回は開始後ものの数分でマスカラとアイライナーの殆どが黒い涙となって流れてしまった。
とどめを射したのは、アンコールで私が愛してやまない「愛の夢」が流れ始めたとき。
キー様を聴くときには、アイメイク厳禁である。
以後気をつけよう。

本日の演目は以下の通り:
Schumann Piano Concerto
Sibelius Symphony No 1
(Encore by Kissin:Liszt Liebestraume III)

Piano:Evgeny Kissin
Orchestra:London Symphony Orchestra
Conductor:Sir Colin Davis

*ところで。
わざわざこの場でお断りすることもないのかと思って少し迷うところですが、当初ぼんやりと自分が足を運んだ全てのコンサートについて備忘録代わりに「コンサート報告」を行うことを考えたのですが、これは無謀なプランであることが発覚しつつあります。
備忘録としては良いのですが、ブログには音楽以外にたくさんたくさん書きたいことがあるのに書けなくなってしまうため(「コンサート行き過ぎなんだよ」というツッコミが入りそうですが・・・)、今後のコンサート報告はselectiveにしていきたいと思います(元々シロウトの感想文なので誰も困らないと思いますが・・・)。
あしからずご了承下さい。
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by canary-london | 2006-09-25 07:58 | music

愛すべきmusicaholic達へ

折角「従来の何でも言いたいこと言うぞブログ」路線に戻る表明をしたというのに、いきなり盗難事件で出鼻を挫かれてしまった。
自分の身辺がばたばたしていても、容赦なく時間は過ぎていく。

「何をこんなときに呑気に遊んでいるんだ」とまたぞろお叱りを受けるかもしれないけれど、秋という時期の為せる業か、ホームパーティーに招いて頂く機会が非常に多い。

警察の捜査は継続中。
これまでの展開を考えるに、なくなった物が出てくる可能性は残念ながら著しく低いが、別にしおらしくしていたところで何が変わるわけでもない。
超がつくほどのpositive thinkingは得意技である(要はただの能天気???)。

直近招いて頂いた数々のホームパーティー(殆どすべてが同じサークルなので、お会いする方々には「何か最近家族よりも頻繁に会ってますよね(笑)」が枕詞になってくる)を通じて感じること。

その一、やはり素敵な音楽があるというのは素晴らしい。心が荒んだこんな状況でも、「明日は明日の風が吹くもんねー」的な心持ちになる。
その二、音楽を通じて教えられることは本当にたくさんある。

先週末は、ピアノを教えて頂いている青木先生宅にてホームリサイタルに招いて頂いた。
こちらロンドンで活躍する若きピアニスト・松本さやかさんのラフマニノフやリストを初めとする素晴らしい演奏の数々に、聴衆の我々、しばし放心状態。
確かな技術に裏打ちされた圧倒的な表現力に言葉を失ってしまったが、リサイタルの後にさやかさんを囲む会と称して大宴会になだれ込む(先生、本当に有難うございます・・・)。

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演奏が終わって素顔に戻ったさやかさんは、実に素直な素敵な方でその人柄にまた魅了される。
私以外は殆どがクラシックの専門家ばかりで様々なコメントが飛び交う中で、彼女は真摯に自分の演奏に関する批評に耳を傾ける。特に批判的なものについては。
スポンジのような吸収力。

何の仕事でもそうだけれど、自らに対する批判をしっかりと受け止め、それを乗り越えようと努力を繰り返すことで、壁を一つ一つ乗り越えていけるのだろう。
それをごく自然にやってのけるさやかさんは、アーティストとして、人間としてどんどん大きくなっていく力を持っているのだな、と感じた。

さやかさんは現在、サンマリノ共和国でのピアノ・コンクールに参加中。100人を上回る精鋭の中から14人のセミ・ファイナリストに残るという快挙を成し遂げ(彼女の実力を考えれば当然かもしれない)、これからファイナルへと進んでいく。
是非是非自分の力を出し切れるよう、力いっぱいの声援を送る。応援することしか出来ないけれど。

それにしても数々のホームパーティーでお会いする面々、皆さん本当に多才である。
普段は企業にお勤めされながら、パーティーの席では青木先生の伴奏で見事なフルートの腕前を披露されるO氏・Y氏。いつもただただ脱帽する。

昨夜のパーティーでは更にもうお一人、こちらで活躍されている日本人ピアニスト兼作曲家の平井元喜さんにもお会いする幸運に恵まれた(Oさん、本当に有難うございます・・・)。

広がる輪。自分にとって、かけがえのない宝物である。
大切に大切にしていこう(あ、自分もピアノ練習しなきゃ・・・)。
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by canary-london | 2006-09-24 23:38 | music
Promsも終盤に差し掛かった9月2日は、サイモン・ラトルとベルリン・フィル。
同日の夕方東京より到着した夫を引き連れRAHへ直行。
スーツケースをクロークに預けるべくうろうろしていたら、友人・知人・果ては会社の同僚のフランス人にまで、会うわ会うわ。
さすがRattle/BPOと感心するばかりだが、皆一様に
「12時間のフライトの後休憩もなくブルックナーなんて・・・強引な奥さんに振り回されて旦那さん気の毒に」
と言いたそうな表情をしている。
ちなみに、人生・音楽の大先輩・O氏に先日貸して頂いた雑誌「音楽の友」7月号では、気の毒なことに「嫌いな作曲家」ランキングで堂々の(しかも結構ダントツの・・・)一位に輝いたブルックナー。
「やたら長くて疲れる」あたりが理由のようですが、個人的にはこの日演奏された7番や8番などは非常に好きなのですけどね。

ともあれ、この日の演目は以下の通り:
Szymanowski:            Violin Concerto No. 1
Bruckner:                Symphony No. 7 in E major

Conductor:     Sir Simon Rattle
Orchestra:     Berliner Philharmoniker
Violin:         Frank Peter Zimmermann

Zimmermannのバイオリンは見事だったけれど、初めて聴くSzymanowskiのバイオリン・コンチェルトは個人的には面白みに欠ける曲という印象。
一方、インターバルを挟んだブルックナーは素晴らしかった。
かなりのスローテンポが印象的。

ラトルという人は、実に楽しそうに指揮をする。
アクションが大きい訳では決してないのだけれど、表情や手の動きだけでなく、身体全体で「生」を表現するというのか。

f0023268_4145443.jpgベルリン・フィルは、さすがにドイツが誇る世界のトップ・オケ。
今年聴いたPromsは質の高いものが多かったとはいえ、やはり存在感・重厚感が全く違う。
「オケとラトルは折り合いが悪い」「ラトルが首席指揮者を務めるようになって4年、ベルリン・フィルはすっかりラトル色に染まって以前とは大きく変わってしまった」などの批判は数限りなくあるけれど、誰が何と言おうと、良いものは良い。

ノー・アンコールは残念だったけれど、力一杯のスタンディング・オベーションを贈った。
Bravo!!!

今年の自分のPromsはこれでおしまい。
心から、素敵な音楽を有難う。
ロンドンの暗い冬が明け、またPromsの季節がやって来るのを心待ちにしています。

*注: 写真は今回のPromsではなく氏のwebsiteから拝借したものです。
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by canary-london | 2006-09-11 04:16 | music
8月18日(金)と19日(土)の両日は、今年のPromsの目玉の一つであるValery Gergievの指揮による二つのオケの演奏を聴くためにRAHへと足を運んだ(20日のフィナーレまで三日連続でいらっしゃった方も多いことと思う)。
勿体ぶって出し惜しみしていたわけでは決してないのだが、結果的に書くのが著しく遅くなってしまったため、先輩諸氏の個人的批評からメディア記事にいたるまで耳年増になる一方。
難しいけれど、聴いたままの印象を素直に述べられれば、と思う。

8月18日の演目は以下の通り:
Shostakovich: The Golden Age – excerpts
Schnittke: Viola Concerto
Tchaikovsky: Symphony No. 6 in B minor, ‘Pathétique’

Conductor: Valery Gergiev
Orchestra: London Symphony Orchestra
Viola: Yuri Bashmet

一曲目は、自分にとっては初めて聴くショスタコーヴィチのバレエ音楽であり、ジャズなど多様な要素を取り入れたアレンジが新鮮・斬新であったことと、オケの楽しそうな姿が印象に残った。
二曲目は、バシュメットの独壇場。ヴィオラという楽器の魅力を教えてもらった。
メインのチャイコフスキーは、やはりチャイコフスキーのシンフォニー。
曲自体盛り上がらないわけがなく、またゲルギエフの指揮で盛り上がらないわけもなく。
「この日のLSOは欠員だらけでそもそも夏季でやる気がない」「ゲルギエフは眠そうで振り間違いが多い」との批判もありながら(Oさんいつもご指導有難うございます・笑)、コンサートでのチャイコフスキーは常に楽しめるもの。
覚めていても眠くてもブリリアントなゲルギエフにLSOが着いていっているだけでもスゴイと思った。
「生」ゲルギエフを見ていて素晴らしいと思うのは、例えば指先。
一本一本まで思いを込めて指揮をしているのがよく分かる。
ちなみにこの日の席は舞台右側袖のSide Stalls前方だったため、指揮者・演奏者の入退場の一部始終が観察できる何ともミーハー心をくすぐるポジショニングだった。

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8月19日は、同じゲルギエフの指揮ながらオケが衣替え:
Lyadov: From the Apocalypse
Sibelius: Violin Concerto in D minor
Shostakovich: Symphony No. 13 in B flat minor, ‘Babiy Yar’

Conductor: Valery Gergiev
Chorus&Orchestra: Mariinsky Theatre (Kirov Opera)
Violin: Vadim Repin

Lyadovは、名前も曲も初めて聴くが、10分程度ながら印象に残る楽曲。
シベリウスのヴァイオリン・コンチェルトは、とにかくレーピンが素晴らしかった。
共に鑑賞していた辛口批評家のO氏も、「レーピンもショスタコーヴィチのときだと熱くなっちゃうけど、今日は大人の演奏で良いね!」と満足気。
ショスタコーヴィチ13番は初めて聴いた(シンフォニーが15曲もあると、自分がどのCDを保有していてどれを保有していないのだか頭が混乱してくる)。
このような曲を聴くとやはり、ナチス体験に裏打ちされたショスタコーヴィチの非常なる陰のある人物像が浮かび上がる。歌う方もマリーンスキー劇場合唱団であるから、思い入れが違う。
オケの印象は、「そつがない」「上手い」「真面目」。
ロシアのオケの特徴か、皆目つきが至って真剣。
ティンパニ奏者の若い男性の鋭い眼光が印象に残った。

*写真はゲルギエフ/ウィーン・フィルのチャイコフスキーです。14日木曜日はこのコンビが来英。音楽の都(?)ロンドン、万歳!
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by canary-london | 2006-09-11 03:36 | music

放心・・・・・

天才って、いるものですね。
本日そう感じたのは、今月6回目となるPromsにて。
まだ8月18日・19日のGergievについてアップデート出来ていないため順番があべこべなのですが、本日のLang Langの演奏には本当に感動しました。

弱冠24歳の、小柄な天才。


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言葉では、とても表現できない。
今日は放心状態で彼の演奏を思い出しながら眠りにつくことに致します。

本日の演目は以下の通り:
Ives         Symphony No. 2
Chopin       Piano Concerto No. 1 in E minor
R. Strauss    Till Eulenspiegel

Conductor:  Leonard Slatkin (Sir Andrew Davis急病のため、急遽代理指揮でした)
Orchestra:  Pittsburgh Symphony Orchestra
Piano:      Lang Lang

*PS Lang Langがアンコールとしてかなりオリジナルをデフォルメして弾いた曲が、いつも聴く曲だというのに(Chopin又はLiszt)どうしても曲名が思い出せません。しかも何故かCDも見当たらず。
いよいよ脳細胞激減です。
今日会場にいた方、誰かタスケテ下さい・・・。
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by canary-london | 2006-08-31 09:32 | music