ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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Native English Speakersの嘆き

フランス紀行からの脱線が続いているけど。
フランスについてもまだ書きたいことが山のようにあるのに、このところ遅筆なため書きたいことばかりがどんどん溜まってしまう・・・フランスには次回戻ることにして、ロンドン話をもう一つ。

薄ピンクのFT(Financial Times)を小脇に抱えて出勤する生活も昨年の半年間の滞在以来続けておりやっと板についてきたけれど、FTは本当に読みごたえのある新聞だ。
FTは基本的には経済紙という分類でありながらも、幅広いジャンルをカバー。
専門分野である経済・金融については、Lexというコラムで旬なトピックを掘り下げて分析を行う一方、特に週末はアート欄も充実。
報道の姿勢・視点は至って冷静。

最近のFTで気になった記事x2つのうち一つをご紹介。
‘Native English speakers face being crowded out of market (2月15日)’
British Councilがまとめたレポートによると、今後世界中で英語を話す人口が益々飛躍的に増加するにつれて、米国や英国など英語を母国語とする国々が「クラウディングアウト」されるというもの。
ちなみに、同Councilによれば2005年現在、母国語として使用される言語のランキングと人口は下表の通り:
一位 北京語 10億5200万人
二位 英語  5億800万人
三位 ヒンズー語  4億8700万人
(中略)
十位 日本語  1億2600万人
表を見て英語が予想より少ないのに驚いたけれど、当然外国語として流暢に英語を操れる人の数を加えるとこの数は北京語を上回る。
レポートによれば、数ある言語の中で真の「global」な言語というポジションを勝ち得たのは英語であり、これに伴って、今後10年間で英語を外国語として学習する人が更に20億人プラスされる計算になる。
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予想される影響と考察。
-国際的競争力について: 英語の世界中で30億人が何らかの形で英語を話せるようになると、英語を話せることは「qualification」(特別な技能)でも何でもない。この観点からは、競争力を維持するためには英語を母国語とする人々が北京語やスペイン語など他の言語を習得するべきであるが、英語圏以外の地域で英語を学習することにかかるコストが年々低下する一方、逆に英語圏の人が外国語の学習にかかるコストは上昇の一途にある。結果として、英語圏在住の人々の国際的競争力が低下しつつあり今後も低下が予想される。
-英語教育と経済への影響: これまでは、英語圏の国々では英語教育という商品を海外にexportすることによる収入(多くは海外からの留学生受け入れという形を取る。例えば、MBAでも世界中の最も優秀な学生が集まるのは米国のWhartonである、というように。)は計り知れないものがあった。が、今後英語教育がグローバルに普及するにつれ、わざわざ英語圏に勉強に行く必要はなく(中国などでも国内のMBAプログラムの充実ぶりが大きく報道されている)、「英語教育のexport」という収入源は消滅に向かう。
-「外国語としての英語」: 上記の二点目とも関連するが、英語人口が増すにつれ、当然「母国語として」でなく英語を学び使用する人間が増えていく。そうなると、これまでのような「母国語(native)のように」英語をマスターすることへの需要は減り、むしろ世界の大半の人々が「non-native」なスピーカーであるが故に、重要視されるのはいかにしてnon-nativeなスピーカー達とスムーズなコミュニケーションを取れるかどうかの能力になる。「native」スピーカー達のアドバンテージは益々減るってわけである。

レポートの著者である著名な言語学者のDavid Graddolは、「ラテン語はローマが衰退してから隆盛を極めた。別に英語圏の国々がローマと同じ運命をたどるとは考えていないが・・・」と前置きをしているものの、英語をnativeとする人々にとっては難しい世の中に向かっているようである。

自分の仕事に照らし合わせて考えると、ロンドンに来てからの私の仕事は完全に「ガイジン」として働くことを求められる。投資家が日本人であるケースもあるものの、大体は「青目」(差別用語ではなく、我が業界における特有のterminologyである、念のため)の商品を「青目」に販売する仕事である。
以前にも書いた通り、デットのシンジケートなんて口から先に生まれてきたような人々が生業としているような仕事であるため、感じたことを感じるままに迅速に英語で表現することが出来ずに悔しい思いをする場面も多いけれど、この記事を見て励まされる部分もあったり。
でも、世界の英語人口が30億人に達するのは「今後10年間」というタイムスパンの話。10年後に今の仕事をしているかどうかは・・・可能性は低いんだろうなあ(笑)。
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by canary-london | 2006-02-19 23:28 | current