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ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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旅のメモ・ブルゴーニュ

更新をさぼっており、すっかり写真のアップが遅れてしまった。
5月末の三連休を利用して、友人と三人で以前から訪れたかったワインの銘醸地・ブルゴーニュへ。
ご多分に漏れず、ワインという観点からは一帯の中で中心地となるボーヌ(Beaune)に滞在した。

ホテルには何故か、白髪のシルバー世代が多い。
皆我々と同じくワインを飲んだくれる目的で当地を訪れているのかどうかは分からないが、とすると年齢を重ねても健啖家ぶりの衰えないフランスという国民性には改めて脱帽する。

ボーヌ村内では、Marche aux Vinsで15種類に上るワインの試飲は目玉の一つ。
街のシンボルともいえるゴシック屋根の建物、元々は慈善病院で現在はワインのオークションが行われることでも有名なHotel Dieu (Hospices de Beaune)も観光客で賑わう。
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友人二人より一足先にボーヌ入りした私は、活気の溢れる土曜日の朝市を覗くことができた。
フレッシュな肉・野菜などの食材やチーズ・サラミなどが所狭しと並べられる。
ロンドンでも最近このような産地直送のファーマーズ・マーケットは多いけれど、地元の人が大きなバスケットを手にして野菜や果物を選んでいる姿などを見ると、改めてここは世界的に有名とはいえ、ブドウ農家を主体とする小さな農業の村なのだな、との思いを新たにする。
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「小さな村」といえば、降り立ったボーヌの駅も、人影もまばらなら、タクシーの一台すら見つからず、重い荷物を抱えてとぼとぼホテルまで歩く羽目になって閉口した。
・・・しかし良く考えれば、当然か。
パリから200km程度南東に位置する珠玉のワイン地帯。
少し車を走らせれば、周りはブドウ畑だらけなのだから。

「田舎」であることと並んで改めて感じたのは、ブルゴーニュと一口にいってもいかに多様であるかということ。
ブルゴーニュのワインは、葡萄の品種で言うと、赤が一部例外を除いてほぼすべてピノ・ノワール、白が同シャルドネと、「多様」ではない。
が、例えば世界的に有名な白ワインを生産するムルソー(Mersault)村の中でも、畑の階級も様々なら作り手も様々。
素人の我々はついつい村名やヴィンテージ(作成年)だけに注意を向けがちだが、Puligny-MontrachetやMersaultなどの有名ブランドと化した村では、ブランド力で儲けようと劣悪なワインを作るタチの悪い生産者もいるとか。

白ワインばかりを挙げてしまったけれど、赤ワインも名実共に王者級。
ワイン三昧の贅沢な一日となった月曜日は、コート・ド・ニュイ(Cote de Nuits)は北から南下するコースを採ったので、コート・ド・ニュイの中でも最大となる9つの特級畑ジュヴレ・シャンベルタン(Gevrey-Chambertin)の作り手と畑を朝一番で訪れる。
この村で訪問したPhilippe Leclere氏は、試飲を行う入口付近のスペースに昔ながらのボトル運搬用滑車などがあり、風情が漂う。
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毎年ワイン生産にまわるブドウの栽培面積が1ヘクタール強しかないため、6000本弱のワイン全てが異常なまでのプレミアムで売買されるロマネ・コンティ(Romanee-Conti)の畑。
良い畑は、土壌、日光、水はけなど全ての条件が整っていることが必要となる。
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ワイン素人の自分が言うのは僭越だけれど、今回色々訪ね歩いてみて、やはり「作り手」を知ることというのは重要だと感じた。
今回は、「芽掻き」というブドウの不要な目を摘む作業を行う忙しい時期。
そんな忙しい中でも、一見の観光客への説明に時間を割いてくれる生産者の方には本当に頭の下がる思いだった。

初日に訪れたムルソー村の名物おじいちゃん、Bernard Michelot氏は何と82歳!
さすがに今では畑に出ることはないとのことだったけれど、2時間近く掛けて丁寧に説明して頂いた。
若さの秘訣は、こうして色々な人と触れ合い、刺激を受けることなのかも。
こんな素敵な笑顔のおじいちゃん↓の作るワイン、買いたくなりませんか?

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by canary-london | 2008-06-16 10:09 | travel