ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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シンジケートとフィットネス

数回前のエントリで書いた「シンジケート・クイズ」の例を持ち出すまでもなく、私が日々一緒に仕事をしているデット・シンジケートの面々がいかにバイタリティーやユーモアそしてウィットに溢れる魅力的な人達かというのは本ブログにも再三書いているとおり。

彼らときたら、本当に「restless」(=活動的で休むところを知らない)という言葉が似合う。
元来車が大好きでオフィスにも大体自慢の単車で通ってくるAは、趣味のカートレースへ一緒に行けばプロ級の腕前。
一方のNは週末になるとボクシングのトレーニングに勤しんでおり、5月には我々デスクのメンバーもNの公式試合に招かれている。

「restless」の意味合いは、実のところ働きバチの日本人とは少し違う。
以前にも何度か別項でも書いているとおり、欧米の人は国民性などによる違いはあるにせよ、大体において、いかにして最低限の仕事量をこなしながらうまく立ち回っていくかということを常に考えている。私を除いてイギリス人とアメリカ人しかいない弊デスクでは、この傾向は顕著。仕事に最大限のエネルギーを振り向けないからこそ、カートやボクシングを楽しむ余裕も出てくるのだろうが。
・・・というとやけに聞こえが悪いが、良く言えば業務範囲が明確に規定されており、自分の仕事ではないことは、頑としてやらない。
日本人の場合は、責任の所在のはっきりしない玉虫色エリアに区分される仕事をついつい「しょうがないから(自分が)やってやるか」が積もり積もってくる。
であるがゆえに、いきおい労働時間が長くなる。
経済として見た場合の効率性が悪い。
こんな至れり尽くせりのサービスを受ける側である消費者にとっては天国、サービスを提供する側の人間にとっては地獄である。

いつものことながら冒頭から脱線したが、私が一緒に働くシンジケートのチームの話に戻ろう。
サブプライムに端を発した不況はとどまることを知らず、金融業界全般にわたって明るい話題は相変わらず少ない。
特に我々の部署は、主として新たな資金調達を必要としている「発行体」と呼ばれる先(国・政府機関・金融機関・事業会社など全て包含する)が多数あり、また引き受けた債券が売れる状況にないと、商売あがったりとなる。
どの数字を取るかにもよるけれど、大不況を受けて債券新規発行のビジネスは概ね低迷しており、昨年同時期に比べて市場全体における公募債の発行量は4割から5割程度落ち込んでいる。ちなみにこれは、私が一緒に働く面々の担当するセクターで取り扱う一部のdebtに限定した話であり、サブプライムの影響をもろに受けている資産担保証券に至っては、この数字が8割から9割減とおぞましい数字となる。

そんな状況下、公募債シンジケートの面々、年明けからの4カ月というもの、例年忙しいこの時期に比べて時間の余裕がありありと感じられる。(ちなみに私は私募債担当なので、やはり新規ビジネスは落ち込んではいるものの、彼らのように仕事量が著しく減るわけではない・・・残念ながら。)

そんなとき、俄かに注目を浴びるのが「フィットネス」である。
つまり彼らは値付けしなければならないトレードが減っているがために、日中時間の余裕が出来る。
そうなると、昼時ともなると「一時間走ってくる」といってオフィスの一階にあるジムへと消えてしまうのである。大手投資銀行では、世界の拠点を問わずビル内にジムを有するところが大多数のように思うが(もちろんメンバーシップは有料)、まったくもって良く出来たものだと感心する。要は、仕事がスローで脳がフル回転する必要のないときには、せいぜい身体を使えってわけ。

f0023268_2012018.jpgスローダウンがより顕著となった一月以降、折に触れ皆で「おそらく債券新規発行量とシンジケート・デスクのフィットネス・レベルは逆比例の関係にあるだろう。統計を取ってみたいものだ。」なんて冗談まじりで話している。
そのうちの一人なんて、ジム通いと食事制限の組み合わせで、年明けからの数週間で7.5kgほど絞り込んだらしい。とはいえ、スタート時点での体重が112.5kgなので誤差の範囲内かもしれないが(笑)。

余談ながら、公募債のデット・シンジケートは全員男性。
女性は、私募債担当の私ともう一人だけ(秘書を除く)だけである。
私も最近では、デスクのフィットネス・レベルに負けまいと、何とか時間を作ってジムに通う時間を増やすよう心がけているのだが、髪を乾かす必要もなくシャワーから飛び出してデスクに戻ってくる男性陣と、気持ちだけでも化粧してからデスクに戻ろうかという心理の働く女性陣とでは、ジムに行くというミッションに要する時間が異なってくる。
それってフェアじゃないよな、と思っているうち、最近では「気持ちだけ」の化粧すら覚束ないまま髪を振り乱してデスクに戻ってくるようになってしまった。
・・・ビジネスの低迷とは別に、憂うべき事態である。
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by canary-london | 2008-04-13 20:13 | diary