ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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Bloombergと言語に関する考察・続

金融機関に勤める人には紹介の必要もないが、Bloombergという金融機関専用の端末がある。といっても、ハードウェアが独立していた昔と違って今ではオフィスのPCにインストールしデスクトップから自在にアクセスできるので、「端末」という呼び方は既に適切ではないのかもしれない。
Bloomberg社は、言わずと知れた現NY市長のMichael Bloomberg氏が1981年に創立。
19世紀半ば創業のロイター社などより余程歴史が浅いにも拘らず、弱者の淘汰により会社数の減少傾向が著しい昨今、一人勝ちの様相が強い。

私と同業界の人は、部署にもよるもののそんな人が多いのではないかと思うけれど、私ははっきりいってBloombergなしでは一日たりとも仕事が出来ない。
一連の金融情報や分析機能・計算機能もさることながら、非情に重宝するものの一つがメッセージ機能、つまりメール機能である。
Bloombergのユーザー同士の場合、通常のメールと違って、相手がその日に出社しているかどうか(もしくは自宅や外出先からログオンしているかどうか)メールを送る前に把握でき、メールを送った後も相手が開封したかしていないかが一目瞭然というスグレモノである。最近ではこの「ログオン状態」を示す機能が進化し、今この瞬間デスクについているかどうかさえも分かるようになっている(自分の状態を細かく把握されたくない人には、「ログオン状態を隠す」という選択肢もある)。

まっとうな使い方をしてもこの上なく便利なBloombergなのだが、本来の機能とはあまり関係のないところで、私の小さな楽しみがある。
それは、ログオン時の初期画面に載っている毎日違った一言(ことわざ、世界各地の言い伝え、格言、偉人の名言など内容は幅広い)。
毎朝これをチェックするのが楽しく、中には誰でも知っているような有名なものもあるが、「ふーむなるほど」と思うものも数多い。
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2007年に私が思わず書き留めてしまった「ヒット作」の厳選版は、以下の二つだろうか。
一つ目は、リンカーン元米大統領による名言。
‘It’s not the years in your life that count. It’s the life in your years.’
日本語訳するのが難しいが、いつもどおり超意訳すればこんなところだろうか:
「人生で重要なのは生きた年数ではなく、その中で何を成し遂げたかだ。」

そして二つ目は、チャーチル元英首相の言葉。
‘We make a living by what we get, but we make a life by what we give.’
同様に超意訳:
「我々の生活の糧となるのは何を稼いだかだが、人生の糧となるのは人に何を与えたかである。」

いずれも各人の徳を感じさせる素晴らしい言葉だと思うが、ここまで書いたところで、やはり思考は再び英語と日本語の性質の違いに向いてしまう。
先月のエントリとなる「・・・で、今のマーケットを一言で言うと?」でも書いたことだが、英語は似た言葉を使った言葉遊びや韻を踏む(rhyme)ことが格段にやりやすいため、フレーズとしてすっと流れ、聞くにも心地良い。
一方の日本語は、もちろん自分の翻訳能力が足りないことが原因とはいえ、どうも流れない。何かまどろっこしい。硬い。

やはりこのような使い勝手の良さが、英語という言語の持つ強みなのだろうと改めて感じる。

蛇足になるが、もう少し最近の「今日の一言」にはこんなものがあった。
中世のユダヤ人の道徳を初めて系統立てて研究した学者・Israel Salanterによる一言。
"Writing is one of the easiest things; erasing is one of the hardest."
「文章を書くのは最も易しいことの一つだ。一方、一度書いたことを取り消すのは最も難しいことの一つだろう。」
Salanter自身は19世紀に活躍した人だが、現代への関連性は高い。
ブログという媒体を通じて、我々シロウトの物書きにも自由に物が書ける時代だけに、思わず背筋が伸びた一言だった。
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by canary-london | 2008-03-16 11:32 | culture