ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

ナイフとフォークと「マイ箸」から世界が見える

西洋人のナイフ・フォーク至上主義には、時々驚かされる。
彼らにしてみれば、物心ついたときからこればかりやっているのだから当たり前なのだが、箸カルチャーどっぷりの我々からすると
「うーん。それって、あまり機能的ではないんじゃない?」
と思うこともしばしば。
まあ彼らからみれば、箸を自在に操る東洋人こそが驚愕と羨望(?)の対象なのだろうが・・・。

私のチームメイト兼上司にあたる女性はアメリカ人なのだが、日々のデスクランチでたまに日本食やチャイニーズのtake-awayなどをとると、慣れない箸と格闘しつつあらん限りの集中力を眼前のサラダに注いでいる彼女から、
「何でアンタ、豆のサラダなんか箸で食べられるわけ?しかもEメールをさばきながら片手間で食べてるなんてズルイっっ」
と恨めしそうな視線が飛んでくる。

勿論ヘルシーなアジアン・キュイジーヌの台頭により、箸を巧みに操る西洋人も非常に増えたので、上記のようなエピソードは昔ほど一般的ではなくなったけれど。

西洋人はとにかく、メイン・ディッシュを食べるときには、概ねそれが何であってもナイフとフォークのペアで立ち向かう。
スプーンという器具は、彼らにとっては大きなものはスープ用、小さなものはデザート・コーヒー用であり、メインを食べるときには基本的にはあまり登場させない。

この点、箸しかなかった時代には汁物は椀に直接口をつけてすするなど柔軟に対応していた日本人の方が、西洋式のカトラリーが入ってきた現代においても実用性重視かも?

今回帰英にあたってそんなことを改めて感じたきっかけは、飛行機で通路を挟んで隣り合わせたイギリス人のオバサマ。
三つのメインのチョイスの中に「日本式カレーライス」というものがあり、彼女も私もそれを注文。
私にいわせればこんなもの、日本のカレーライスなのだから(何ちゃって日本食の機内食だけに、ご飯に対してカレーが少ないとか、ちょっとした違いやら不満やらはあるが・・・)、スプーンで食べるのが当然。
食べ進むうちに贅沢になってきて、福神漬が欲しくなってきたりして。

一方の彼女は、ナイフとフォークであくまでエレガントにチキンを切り分けて口に運ぶ作業を淡々と続けている。
並んで食べているのをハタからみると、とても同じものを食べているようには見えないだろう。

イギリスにいて、「何でもあり」日本人の実用型カトラリー術をもっとも強く実感するのは、ピザを食べるときだろうか。
私は、ピザについては何が何でも「手で食べる」派である。
ビールやコーラを片手に、手で掴んで食べる方が絶対に美味しい。・・・と、思う。
なので、ピザ屋に入って(これまた日本では考えられないぐらいピザ屋が多く、一般人はかなりの頻度でピザ屋でディナーを取る)、全員が何となく神妙な面持ちでナイフ・フォークをキコキコやっている姿には、何となく違和感と笑いを覚えてしまうのである。
「行儀が悪い」とお叱りを受けるかもしれないけれど、ピザ発祥の地であるイタリアの人々がそうしているのだから、大目に見てもらおう。
何はともあれ、美味しく食べるのが一番!

そんなことをぼーっと考えつつ機内誌を眺めていると、創業170年の歴史を誇るフランスの銀製品の老舗・クリストフル社の日本のCEOであるイブ・アルマニー氏のインタビューが目に入る。
正に私が考えていたようなカトラリーに絡めた西洋と東洋の融合のようなことについて話をされており読み入ってしまったが、そんな彼のイチオシは、銀製の「マイ箸」。
曰く、「アジアの国の料理を食べる時は箸を使ったほうが美味しいと感じる」とのことで、在日30年を超える氏の親アジア魂には感服する。
が、それにしても銀製のお箸なんて重いし滑るし高級だし・・・と使う前から敬遠してしまうのは、自分の貧乏性ゆえか?
f0023268_10242748.jpg
→ クリストフル社の銀製「マイ箸」
[PR]
by canary-london | 2008-01-16 10:27 | culture