ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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クリスマス・イブの夜に・・・

コンサートの話ついでに、12月に行ったコンサートについてもう一つ。
クリスマス・イブは両親と共に、父の暮らす京都で同志社大学のオーケストラが演奏するヘンデルの「メサイア」を聴きに行った。
独唱はプロの歌手が担うが、オーケストラとコーラスは学生(コーラスにはOBやOGも含まれていたようだ)。
両親はこのところ毎年クリスマス・イブというとこのイベントに足を運んでおり、今年は私もくっついて行くことにした。
「メサイア」演奏の歴史も長く、コーラスも含めてなかなか上手い。

「メサイア」は全53曲から成る壮大なオラトリオで、幾らヘンデルが絶頂期にあったとはいっても、わずか20数日間で書き上げたとはとても信じられない超大作である。

クリスマスに定番の第九やメサイアを聴くことに何となく抵抗のあったあまのじゃくの自分は、「メサイア」の抜粋をここまで多く聴くのは、恥ずかしながら生まれて初めての経験であった。

素直な感想は、行ってみて本当に良かった。

もっとも大きかったのは、
「日本でもこんなに宗教的なクリスマスを味わうことができるんだ!」という感動。
ヨーロッパ、特にカトリック色の強い国においては、クリスマスは多分に個人的・家族的な宗教行事である。
クリスマスのどこを輪切りにしてもコマーシャリズムが全開という日本とは、全く意味合いも趣も異なるものなのだ。
プロテスタント主体の英国においても、クリスマスが家族のイベントであるという点では同じ。

以前に書いたような騒々しいクリスマスパーティーも11月中旬から12月にかけては多数行われるため、飲み歩いてばかりの時期であるという点では忘年会隆盛の日本と同じだが、クリスマス・イブやクリスマス当日は家族で祝うもの。
フランスやイタリアではこの傾向が益々強く、この時期に旅行などで訪れても大概の店はシャッターを降ろしておりロクな食事にありつけない上、街は空っぽなので皆いったい何処へ?と思うと、実にひっそりと教会で宗教歌を歌っていたりするのだ。

・・・そう、メサイアを聴きながらクリスマスを過ごしてみて、高校生時分に両親と一緒に訪れたローマや南フランスの静かなクリスマスを思い出した。

実のところ、キリスト教という宗教は少し苦手である。
「苦手」というほどのものでもないが、生来的に無宗教の私は、どうも一神教すべてについて、「押しつけがましさ」からくる一種の嫌悪感を感じてしまう。
対象となる宗教自体を深く勉強したわけでもないのに僭越極まりないのは百も承知だが、こればかりは生理的な感覚なので仕方がない。
でも、宗教が音楽や絵画などの芸術的な媒体を通じて表現されるとき、そんな苦手意識は不思議と一気に消滅する。

もっとも、ヨーロッパにおける美術は、概ね聖書、ギリシャ・ローマ神話、或いは生と死をテーマにしたものが殆どなので、「キリスト教にまつわる作品は苦手」なんて言ったらヨーロッパの美術館にはどこへも行けなくなってしまうけれど。

ともかくそんなわけで、今回のクリスマスは多分にキリスト教的なクリスマスというものの魅力を再発見した。
そんな機会を与えてくれた両親に感謝!

・・・今年のクリスマスは、世界の何処でメサイアを聴こうか。
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by canary-london | 2008-01-11 09:38 | diary