ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

北欧からの一通のメールと世界の中の日本

二週間ほど前の或る日、私のEメールのInboxにこんな一通のメールが舞い込んできた。
送り主は、北欧のとある政府機関に勤める男性。
私の職種では、このような「発行体」とよばれる資金調達主体からのEメールの数は非常に多い。
その大半は、資金調達の意欲や水準等について各投資銀行に意思表示を行うための、不特定多数に向けたメールである。
しかし、通常の無味乾燥な資金調達のメールとは少し様子が違う。

開いてみると、こんな文面の手紙だった(注: 内容は多分に短縮・意訳してあります)。

「・・・X年間の勤務を経て、このたびXXX社を去ることにしました。
二人の娘と、仕事に戻りたくてうずうずしている妻に囲まれた環境の中、今度は自分が家族に貢献する番が回ってきたと感じています。
この状況が永遠に続くとは考えていないものの、自分の現在の仕事環境、および外の世界での選択肢について考える良い機会だと思っています。
なので、おそらくはXXX社に戻ることはないと思っています。
・・・とこんなことを書きながら、数年後には同じ資金調達の仕事に戻ってまたお会いすることになるかもしれませんが(笑)。」

書いている本人はというと、資金調達を行うチームを統括する男性。
年の頃は、30代半ばから後半といったところか、「好青年」という言葉の似合う爽やかな人物で、当然ながらまだばりばりの働き盛り。
そんな彼が、実にさらっとした調子で、「今度はしばらく妻がキャリア追求を楽しむ番。僕は子育てに専念します。」と言えるメンタリティー(そしてそんなメンタリティーを形成する社会・文化)って、実に素敵ではないかと思う。

「子育ては女性の役目」とか、「子育てと仕事は両立しない」とか、ひいては「終身雇用」とか。
・・・そんな諸々のフレーズとは縁のない世界。

一方で日本に目を向けると、子供をもつ女性のうち外で働く人の比率が約52%と他の先進国を大きく下回り、且つこの比率を上げる方策を取ったときに今度は出生率の著しい低下が予想されるというジレンマに直面している(2007年5月31日付のFT記事より)。

このトピックは本ブログで以前も取り上げたことがある。
それでも東京とロンドンの両方で働いた経験(しかも、外資系投資銀行という所謂「男女差別が少ない」と一般的に理解されている業界で)からは、やはり東京の労働環境・ワークカルチャー(労働文化とでもいうのだろうか?あまり適切な訳語がないこと自体問題かとも思うのだが・・・)については、残念ながら物申したいことが非常に多い。

・・・そもそもは心温まるメールについて紹介しようと思ってペンを取ったのだが、何だか女性の権利を振りかざすフェミニストの論調になってしまった(断っておくが私はフェミニストではない)。

日本も色々な意味で「グローバル・スタンダード」に近づけるよう、一歩ずつでも進んでほしい。
(今度はロンドンではなく)、頑張れ、ニッポン。
[PR]
by canary-london | 2007-08-22 02:32 | culture