ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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鉛筆から始まる小さな物語

おお、またしても知らず更新が著しく滞ってしまった。気づけば7月ではないか。
今年に入ってからというもの怠慢さの際立つ本ブログだが、これでもヨーロッパへの小旅行の後のタイミングというのは比較的更新頻度が上がる。

理由は至って単純。
私は飛行機の中でものを書くという行為が、最近実に快適且つ自然発生的に出来るようになっているのである。
東京⇔ロンドン間の11-12時間のフライトだと如何せん長過ぎる上に飲食を強いられ、映画に読書と欲張って焦点が散漫になった挙句、ビールとカクテルとワインをちゃんぽんで飲んだほろ酔い気分で眠りに落ちてしまうのが関の山だったりする。

その点、ロンドン⇔大陸ヨーロッパのフライトは、時間的に執筆に丁度良いのである。
東や南へ大きく移動するのでなければ、フライト時間は大体2時間前後。
寝不足の早朝便でもなければ睡眠の必要はないし、この距離では映画の上映もなく、本を一冊読破するのには時間が足りない。
そんなとき、「書く」という行為は恰好の暇つぶしなのである。
そもそもブログというのは持論の勝手気ままな展開系だし、与えられた時間の中でネタを何本書くといった制約も皆無である。
この点、〆切に追われる作家の諸先生というのはさぞ大変な稼業だろうといつも敬服する。

飛行機の中で書くということのもう一つの利点は、紙と鉛筆(ペン)という昔ながらの媒体で思う存分自分の世界に浸れることである。
もちろん、肌身離さず持ち歩いているパソコンを取り出してキーボードを叩くという選択肢もあるが、平日12時間パソコン画面とにらめっこしているだけに、私は飛行機の機内でパソコンに向かう感覚にどうも馴染むことができない。

もっというと、自分の文章を書くとき、私はキーボードではなく自らの手で書くことを選ぶ。
ビジネス上の用件は全てメールで全く構わないが、ひとたび自分が何かを「創る」担い手となるとき、紙と鉛筆という原始的・マニュアルな手段があると、不思議なことに心が落ち着き頭がすっきりと整理される。
物書きを生業とする私の叔父が、今も執筆にはキーボードを使わず400字詰め原稿用紙に鉛筆で書くと以前話していたことを思い出し、勿論叔父の書く高尚な文章と自分の文章を比較するのもおこがましいが、「紙と鉛筆」に愛しみを感じる気持ちは実に良く分かる。

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こんな風に、今でこそ「書きたいけど時間がないっ!!!!!」と常に髪を振り乱している自分だが、実のところ小学生時分まで文章を書くという行為が大の苦手であった。
ニューヨークで過ごした小学生時代、土曜日に通う日本語補修校の夏休みの宿題でもっとも恐れていたのが「読書感想文」。
白い原稿用紙を前にしても、困ったことに一文字も浮かんでこない。
そんな私のゴーストライターを嫌な顔ひとつせずに常に引き受けてくれたのが、二歳年上の姉であった。
元々本の虫で文才に長けていた彼女は、今も翻訳という文章に携わる仕事を続けている。

執筆という行為に関して書き始めたら、結局前々々回と同じく、時効成立による家族への懺悔文となってしまった。
・・・おねーさま、20数年前はお世話になりました。
今でこそブログという都合の良い媒体を通じて日々エラソウなことを書いているが、こと文章を書くという点で自分が姉に追いつき追い越す日は決してこないのだろう、と思っている。
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by canary-london | 2007-07-04 09:05 | diary