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ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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天晴れなる「ものづくり王国」ニッポンについて

先般日本に関する批判を書き連ねたばかりなのでその罪滅ぼしという訳でもないが、やっぱり日本人ってスゴイっと思うことも多々ある。
ひとたびビジネスとなった場合におけるサービスのきめ細やかさについては以前も触れたが(これがビジネスの枠を出て個人のレベルになると、途端に「駅の通路でぶつかっても謝らない」になってしまうのだから不思議である)。
このような目配りの行き届いたサービスは勿論、商品開発に直結する。
今回の帰国にあたっては、何しろ体調が悪く、正味60数時間の滞在中殆ど自宅のベッドで寝込んでいたので、そんな視点から気付いた「日本人的スゴイモノ」*。
*最近もずっと東京に暮らす人々にとっては、ごくフツウのものだったりして面白くも何ともないかも・・・。

1. のどぬーるスプレー
喉の痛みを和らげるために家人が買ってきてくれたのが、「のどぬーるスプレー」(こんなモノ↓)。


天晴れなる「ものづくり王国」ニッポンについて_f0023268_1313814.jpg




5-6cm程度のノズルが着いているのが特徴で、このノズルを伸ばして口の中に差し込むことによって喉に直接噴射出来るのである。
こんな発想、イギリス人にはないだろうなあ・・・。

過去20年か25年程度で、日本のラップ業界(サランラップとかクレラップとかの所謂「ラップ」である)における技術は大きく進歩したのでは・・・と密かに思っているのだが(切り易さで日本のラップの右に出るものはない)、英国のラップときたら、私が最初に渡英した1988年と現在で違いはなく、ほぼ例外なくハサミを持ち出さないと切れない。
それにしてもこのノズル、何かを彷彿とさせるなと思ったらゴキブリ専用の殺虫剤と同じ発想ではないか。
そう思ったらちょっと噴射するのがイヤになったけれど。

2. 鼻セレブ
とめどなく鼻水が出るとき、手放せないのが鼻に優しいティッシュである。英国の紙ナプキンのようなポケットティッシュで鼻をかんでいたら、おそらく10回ぐらいで鼻の周りの皮膚が痛くなってしまう(注: 箱ティッシュはちゃんとしたものがある)。
通常のティッシュよりも繊維の細かい(?)、肌に優しいティッシュ。
・・・こんな発想も、イギリス人には絶対ないだろうなあ・・・。

しかも今回お世話になったティッシュ、ネーミングが「鼻セレブ」ときている。
こっちはひたすら鼻をかんでいるだけなのに、セレブですよセレブ。
ウィッティーなキャッチコピーを考案する才能に日本人は長けていると個人的には思うのだが、ここでもそんなことを感じた。

ところで、FTの紙面にふと目をやると、日本の高齢化および日本経済の今後の展望について憂う記事が。
よれば、日本の労働力人口は2005年から2010年までの5年間、毎年0.7%のペースで減少を続ける見込みである。
一方で、政府の目標とするGDP成長率、年率+2.2%を達成するためには生産性の向上が不可欠であり、他の全ての条件が変わらない前提の下では、要求される生産性成長率は年率+2.9%と過去15年間の平均値+1.5%を遥かに上回るものである。
更なる改革の断行が待たれる、と記事は締めくくる。

折しも、欧米各国市場がM&Aを原動力とした株高に沸くなか、本邦株式市場の独歩安が目立つ昨今。
日本人の持ち味である、確かな「ものづくり」の技術。
これにきめ細かいサービスの追求が加わると、「天晴れ」的なニッチ商品の開発力に繋がる。

こんなアイディア商品を生み出す底力を武器に、高齢化社会ニッポンも是非頑張ってほしいものである。

・・・のどぬーると鼻セレブから、話は思わぬ方向に進んだりして、の巻でした・・・。
by canary-london | 2006-11-25 13:02 | current