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ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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Wrapping up my 2006 Proms: 愛すべき巨匠達(コンサート報告15-17に代えて)-パートⅠ

8月18日(金)と19日(土)の両日は、今年のPromsの目玉の一つであるValery Gergievの指揮による二つのオケの演奏を聴くためにRAHへと足を運んだ(20日のフィナーレまで三日連続でいらっしゃった方も多いことと思う)。
勿体ぶって出し惜しみしていたわけでは決してないのだが、結果的に書くのが著しく遅くなってしまったため、先輩諸氏の個人的批評からメディア記事にいたるまで耳年増になる一方。
難しいけれど、聴いたままの印象を素直に述べられれば、と思う。

8月18日の演目は以下の通り:
Shostakovich: The Golden Age – excerpts
Schnittke: Viola Concerto
Tchaikovsky: Symphony No. 6 in B minor, ‘Pathétique’

Conductor: Valery Gergiev
Orchestra: London Symphony Orchestra
Viola: Yuri Bashmet

一曲目は、自分にとっては初めて聴くショスタコーヴィチのバレエ音楽であり、ジャズなど多様な要素を取り入れたアレンジが新鮮・斬新であったことと、オケの楽しそうな姿が印象に残った。
二曲目は、バシュメットの独壇場。ヴィオラという楽器の魅力を教えてもらった。
メインのチャイコフスキーは、やはりチャイコフスキーのシンフォニー。
曲自体盛り上がらないわけがなく、またゲルギエフの指揮で盛り上がらないわけもなく。
「この日のLSOは欠員だらけでそもそも夏季でやる気がない」「ゲルギエフは眠そうで振り間違いが多い」との批判もありながら(Oさんいつもご指導有難うございます・笑)、コンサートでのチャイコフスキーは常に楽しめるもの。
覚めていても眠くてもブリリアントなゲルギエフにLSOが着いていっているだけでもスゴイと思った。
「生」ゲルギエフを見ていて素晴らしいと思うのは、例えば指先。
一本一本まで思いを込めて指揮をしているのがよく分かる。
ちなみにこの日の席は舞台右側袖のSide Stalls前方だったため、指揮者・演奏者の入退場の一部始終が観察できる何ともミーハー心をくすぐるポジショニングだった。

Wrapping up my 2006 Proms:  愛すべき巨匠達(コンサート報告15-17に代えて)-パートⅠ_f0023268_3352225.jpg










8月19日は、同じゲルギエフの指揮ながらオケが衣替え:
Lyadov: From the Apocalypse
Sibelius: Violin Concerto in D minor
Shostakovich: Symphony No. 13 in B flat minor, ‘Babiy Yar’

Conductor: Valery Gergiev
Chorus&Orchestra: Mariinsky Theatre (Kirov Opera)
Violin: Vadim Repin

Lyadovは、名前も曲も初めて聴くが、10分程度ながら印象に残る楽曲。
シベリウスのヴァイオリン・コンチェルトは、とにかくレーピンが素晴らしかった。
共に鑑賞していた辛口批評家のO氏も、「レーピンもショスタコーヴィチのときだと熱くなっちゃうけど、今日は大人の演奏で良いね!」と満足気。
ショスタコーヴィチ13番は初めて聴いた(シンフォニーが15曲もあると、自分がどのCDを保有していてどれを保有していないのだか頭が混乱してくる)。
このような曲を聴くとやはり、ナチス体験に裏打ちされたショスタコーヴィチの非常なる陰のある人物像が浮かび上がる。歌う方もマリーンスキー劇場合唱団であるから、思い入れが違う。
オケの印象は、「そつがない」「上手い」「真面目」。
ロシアのオケの特徴か、皆目つきが至って真剣。
ティンパニ奏者の若い男性の鋭い眼光が印象に残った。

*写真はゲルギエフ/ウィーン・フィルのチャイコフスキーです。14日木曜日はこのコンビが来英。音楽の都(?)ロンドン、万歳!
by canary-london | 2006-09-11 03:36 | music