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ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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コンサート報告12-13&コンサート中毒ロンドン市民のささやかなる反論

続きます、音楽ネタ。
Promsは季節モノなのでご勘弁頂きたく。9月9日が過ぎたらフツウのBlogに戻ります。
予告通り、今週は何とも贅沢なる4晩連続のProms。
余程のアホか余程の暇人かとやや自己嫌悪ながら、今週のプログラムはそうさせざるをえない部分があり、ロンドン在住の方は私同様、今週だけKensingtonに住み着いていた方も多いのでは。
詳細なる批評は専門家諸氏に譲ることにして、それぞれ簡単に簡単にご紹介。

まずは時系列で、8月16日水曜日。
この日の演目は以下の通り:
Dohnányi: Symphonic Minutes
Bartók: Piano Concerto No. 3
Stravinsky: The Rite of Spring

Conductor:Iván Fischer
Orchestra:Budapest Festival Orchestra
Piano:Garrick Ohlsson

この日のチケットは音楽ジャーナリストでもあるO氏のお薦めで後からチケットを購入したのだけれど。
行って良かった!!!!!
の一言です。
ゲルギエフは別格かもしれないのですが、今のところ今回足を運んだPromsの中で最高だったといえるかも。
感動しました。

とにかく、指揮者とオケが一心同体。
指揮者の眉の動き一つで団員に言いたいことが伝わるらしく、息がぴったり。
上述O氏の解説によれば、現存するオケ・指揮者の中で最も付き合いの長いペアでは・・・とのこと(調べたところ、1983年に同オケを自ら創設して以来。23年・・・。スゴイ・・・。)。

Fischerは非常にチャーミングな人柄で、アンコールでは聴衆に向けて
‘What would you like to hear?’(何が聴きたいですか?)
とサービス。
結局Brahmsのハンガリー舞曲第6番が選ばれ、本日のハンガリー特集(除:ハルサイ)の締めくくりに相応しいエンディング。
Garrick Ohlssonのピアノも、少々ずんぐり気味の体型(失礼!)からはちょっと想像出来ないような繊細な音色で耳に心地良かった。
写真はIvan Fischerデス。
コンサート報告12-13&コンサート中毒ロンドン市民のささやかなる反論_f0023268_926597.jpg



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8月17日は、22:00スタートで行われたSchiffのソロ・ピアノ・リサイタルへ。
木曜日は通常の19:30スタートに加えて22:00スタートの回が設けられ、小品を中心に毎週趣向を凝らした演出がなされているが、この遅い回でピアノのソロ・リサイタルが行われたのは今年112回目を迎えるPromsの歴史の中でも初めてとのこと。

モーツァルトだけを取り上げた本日の演目は以下の通り:
Rondo in A minor K511
Piano Sonata in A Major K331
*****
Fantasia in D minor K397 (incomplete)
Adagio in B minor K540
Rondo in D major K485
*****
Piano Sonata in A minor K310

Piano:András Schiff

生でSchiffの演奏を聴くのは初めて。
まるで鍵盤に魔法でも掛けるかのように、大切に丁寧にピアノを弾く人だという印象を持った。
Mozartは、長調の曲でも明るいだけでは駄目(今弾いているので自戒も込めて・・・)であって、豊かな表現力が必要とされる。
この人のMozartの解釈は素晴らしいと感じたし、Mozartが殆ど使用しなかったというイ短調に始まりイ短調で終わるというプログラムも練りに練ったものに違いない。
トルコ行進曲の後半はややミスタッチもあった?ちょっとお疲れ気味かしら・・・。

遅い回なのに、アンコールも二曲と精力的。
(二曲とも当然Mozartだと思われる。聴いたことはあるけれどタイトル分からず。記憶力が悪いのでアンコール常に苦労します。サントリーホールみたいに会場に曲名を書いて欲しい・・・。)
演奏終了後のお辞儀も、深々と3方向に対して丁寧にされる方で、演奏と同じような礼儀正しい人柄が感じられる。

ゲルギエフx2については紙面を改めます。

ところで。
「遊び過ぎ」の批判は甘んじて受けるとしても、「贅沢」という批判へのささやかな反論。
東京でのコンサートチケット代の高騰ぶりからすると、4日も連続でコンサートへ行くなんてとんでもない・・・と各方面からお叱りを受けそうだけれど(既に受けた)、此処ロンドンではコンサートの料金設定がリーズナブルで実に有り難い。
良い席にこだわらなければ、一流オケであっても15ポンド(約3300円)もあれば楽しめる。
また、当日売り出すアリーナにあたる場所の立見席に至っては、5ポンドという安さ。
こちらでは、クラシック音楽を気取らず一般市民にどんどん楽しんでもらいたいという姿勢が随所に感じられ、その点については本当に脱帽する。
東京のクラシックコンサートというのは、こう言っては何だが、妙にかしこまった雰囲気になってしまう上、「貧乏人は来るべからず」みたいな何やらオソロシイ雰囲気を醸し出しているような気がするのは私だけだろうか。
by canary-london | 2006-08-21 09:29 | music