ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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中田英寿現役引退にあたって思うこと: オマージュに代えて

正直、予想していた訳ではなかった。
メディアは色々な憶測について報道したけれど、それは主に対ブラジル戦が終わってフィールドの中央で放心するヒデの姿を多くのカメラが映し出した後のこと。
結果的には、6月22日に自分が見たドルトムントでの試合が中田英寿の現役最後の試合となった。

サッカーは好きだけれど、常にメディアへの露出度も高く、非常なる努力家ながら時に偏屈なまでの意志の強さを覗かせる独特のキャラクターを持ち、ビジネスマンとしても一目置かれるなど、日本が世界に誇る一つの「ブランド」とすら言えたNAKATAに関しては、人間的にもプレーヤーとしても「凄い」と思う以外の特別な思い入れは、これまでなかった。
(個人的には中村俊輔が好きなのだが、絶不調の今大会では今一つファンタジスタになり切れない部分を露呈してしまったか・・・。)

自分が生で見た日本代表の最初で最後の試合が、中田英寿の引退試合になるとは。
何か偶然以上のものを感じてしまい、中田のHPでの現役引退について綴ったメッセージ「人生とは旅であり、旅とは人生である」を読んで感じたことを少しだけ書いてみる。
きっとこれから多数のメディアが「若過ぎた引退」とか何とか言って書き立てるのが目に浮かぶけれど、雑音がうるさくなるその前に。
ささやかなオマージュに代えて。

中田のメッセージを読むと、試合後フィールドの真ん中で天を仰ぎ、立ち上がることの出来なかった彼の心中が今になってやっと分かった気がした。
口下手に違いない彼が伝えたかったこと。

全文は中田自身のHPにて公開されているが、
(アクセス数過多のためトラブル続発のようなので、難しい場合はコチラから)



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メッセージを順に追っていく中で感じたこと、徒然なるままに。

1. (QUOTE)
プロになって以来、「サッカー、好きですか?」と問われても「好きだよ」とは素直に言えない自分がいた。
責任を負って戦うことの尊さに、大きな感動を覚えながらも子供のころに持っていたボールに対する瑞々しい感情は失われていった。
(UNQUOTE)

読んでいてふと気づく。
これって。オトナになるにつれて、誰しも子供時代の「好きなこと」「やりたいこと」「なりたいもの」について気づかされずにはいられない、「現実」の部分。
「瑞々しい感情」=「夢」と読み替えたら、それは自分が子供の頃に抱いていたたくさんの「将来の夢」に繋がっていく。
あんな感情を取り戻せたら。
「“新たな自分”探しの旅」に出るという中田が求めているのは、そんな感情を今一度手に入れることなのかもしれない。

2. (QUOTE)
俺は今大会、日本代表の可能性はかなり大きいものと感じていた。
今の日本代表選手個人の技術レベルは本当に高く、その上スピードもある。
ただひとつ残念だったのは、自分たちの実力を100%出す術を知らなかったこと。
それにどうにか気づいてもらおうと俺なりに4年間やってきた。
時には励まし、時には怒鳴り、時には相手を怒らせてしまったこともあった。
だが、メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった。
(UNQUOTE)

孤立していたともいわれる中田が代表の面々に伝えたかった思いは、最後まで双方のベクトルが噛み合わずに終わってしまったのかもしれない。
(次のワールドカップまでの)四年間というのは、自分一個人の今の状況を考えると途方もなく長い時間のように思えるけれど、次の夢に向かってひた走るスポーツ選手にとっては非常に短い時間に違いない。
2010年、南アフリカに向けて。
日本代表にエール。

3. (QUOTE)
最後となるドイツでの戦いの中では、選手たち、スタッフ、そしてファンのみんなに「俺は一体何を伝えられることが出来るのだろうか」、それだけを考えてプレーしてきた。
ワールドカップがこのような結果に終わってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
俺がこれまでサッカーを通じてみんなに何を見せられたのか、何を感じさせられたのか、この大会の後にいろいろと考えた。
正直、俺が少しでも何かを伝えることが出来たのか…
ちょっと自信がなかった。

けれどみんなからのmailをすべて読んで俺が伝えたかった何か、日本代表に必要だと思った何か、それをたくさんの人が理解してくれたんだと知った。
それが分かった今、プロになってからの俺の“姿勢”は間違っていなかったと自信を持って言える。
(UNQUOTE)

中田にしては珍しい弱気な発言の後に、彼を支えた無数の人々のメールでの声援についてのコメント。
E-MAILという媒体の罪過を強調することはたやすいけれど、メールにはこんな風に人と人との大事な繋がりを築けるという強みがある。
もちろん、一昔前であれば直筆で認めた(したためた)手紙であるべきところだけれど、見ず知らずの人間同士のコミュニケーションを飛躍的に促進するという意味ではメールに軍配が上がる。

4. (QUOTE)
これまで一緒にプレーしてきたすべての選手、関わってきてくれたすべての人々、
そして最後まで信じ応援し続けてきてくれたみんなに、心の底から一言を。

“ありがとう”
(UNQUOTE)

大事なメッセージを、この一言で締めくくってくれてありがとう。
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by canary-london | 2006-07-04 09:34 | current