ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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彼我の「サービス」について

英国の「グッドサービス」については、以前地下鉄を題材に皮肉を込めて書いた
今回の財布・携帯・鍵をはじめとする貴重品が全て盗難に遭うという極端な状況の中では、自分が暮らす国の「サービス」というもののクオリティーについて改めて感じる部分も少なくない。

引き続き財布盗難の後始末に奔走した昨日・今日で体験した小エピソードを二つ。

1. 銀行口座を保有する某H銀行支店にて
キャッシュカードを盗られたため、カードは当然直ちにキャンセル。
現金を下ろす手段がないので、カードキャンセル時に指示された通り、口座番号および今となっては残された唯一の身分証明書であるパスポートを携えて窓口へ。
窓口対応が如何にも不慣れそうな若い行員であったことも一員だろうけれど、当面の軍資金として自分の口座から引き出しを依頼した数百ポンドの紙幣が出てきたのは窓口到達の約40分後。
後ろには長蛇の列だし、そもそも忙しい平日の仕事中にオフィスを抜け出して来ているのだから、この非効率性は何とかならないもんだろーか。

もっとも、ロンドンに暮らしていた15年前は、スーパーなどでレジ打ちのおばちゃまが、客が待っているのに構う風もなく二列離れたレジ打ちの別のおばちゃまとのんびり会話している光景を良く見かけたもの。
これが解消されただけでも、昔に比べれば改善の跡がみられるというべきか。

2. クレジットカード開始手続きについて
クレジットカードも大半を失ったため、運良くたまたま手元に届いたばかりでまだ財布に入れていなかった新規のクレジットカードを早急に開始するため、日曜日夜に指定された番号にいそいそと電話を掛けた。
いや、確かに電話での受付時間は22:00までというところをぎりぎりの数分前に掛けた自分も悪い。しかしながら、22:00になると同時に、あろうことか開設手続き中途の担当者との会話が前触れもなくぶちっと切られてしまった。
掛け直してみても、「営業時間内にお掛け直し下さい」と非情な音声ガイダンス・・・。

これは確かにイギリスに限らず、ヨーロッパでは概ね感じられるドライさではあるといえる。
「商売優先」なんて考え方はここでは通用せず、一例として、都市を問わず美術館およびショップでは閉館10分前ともなるとあからさまに客を追い出しにかかる。
パリのロダン美術館では、「買いたい物は決まってるから、2分で終わるからお願いだから入れて下さい、マダーム」と食い下がって何とか画集を手に入れたりもした。


とはいえ、やはりイギリス人は概してサービス業には不向きなのではないのだろうか・・・などと感じてしまうのは日本人たる所以か。
日本人の「お客様は神様」度はまた一方の極端であり。うろ覚えだが、確か日本マクドナルドが「人間が列に並んで苛々し始める標準時間」について緻密な調査を行った結果を店員教育に生かしている、といった記事を学生時代に見かけたような覚えがある(ちなみにこの平均時間は、これまたうろ覚えながら18秒とか驚くほど短かったように記憶している)。
ここで追求される「サービス」の概念と欧米の概念との間には、やはり少なからぬギャップが存在する。
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好例は、航空会社のスチュワーデスという職業ではないだろうか。
私は個人的には、ロンドン⇔東京間などの長時間のフライトについては特に、日本の航空会社を好んで使用する。
これにはもしかしたら上記の要因だけではなく、日本人特有の「西洋人コンプレックス」も一役買っているのかもしれないが、イギリス人のスチュワーデスに何か頼むときって、こちらが客だというのに何となく「あのー、大変恐れ入りますがあれ持ってきてもらえませんでしょうか」みたいな感じでへりくだってしまって疲れるのである。
日本の航空会社については、最近経営不振に端を発する様々な問題があり、サービスの質に不満がないとは言えないものの、そもそもの国民性として、無理することなく細やかな心配りのできる日本人は生来的にスチュワーデスのような職業に向いているのでは、と感じる次第。


と日本のサービス業を持ち上げたところで、先般帰国した際に遭遇した「おかしな国・日本」を象徴する画面に遭遇したので、この場を借りて落胆&驚愕のコメントを一言・・・。
成田空港ではゲート到着前に検問を行うのが常。
私が乗っていたリムジンバスも例に漏れず、空港到着直前にバスが止められ、女性検察官二人が乗り込んでくる。
この際外見は関係ないといえばないのだが、風貌といい服装といい、どう見ても1970年代のテレビドラマからでも飛び出したかのような女性が二人。
不自然なほど白い手袋に包まれた手を差し出しながら、ぎこちない笑顔で各乗客にパスポートの提示を要求する。

別に、私は外国人と話すにあたって日本人はすべからく英語を話すべし、などと言うつもりは毛頭ない。
けれど、成田に向かうリムジンバスの乗客は7割方ガイジンである。
「パスポートを拝見します」ぐらい、英語で話しかけるルティーンにしても良いのではないだろうか。

更にびっくりしたのが、年配の方の女性検察官、何と検察作業の一環としてバス後方のトイレのドアをノックすることもなくいきなり全開に。
オランダ人あたりだろうか、用足しを済ませて出て来ようとしている長身の男性と丁度鉢合わせするような形となり、驚いた男性と、これまた笑顔で「失礼致しました」と謝る検察官とのちぐはぐさがあまりに際立っていた。

「日本はやっぱり訳のワカラナイFar Eastの国」と言われないよう。
身の回りの小さな行動の一つ一つ、気をつけなきゃ、との思いを新たにした一幕・・・でした。
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by canary-london | 2006-06-14 09:33 | culture