ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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プラハ紀行~続編

ロンドンからヨーロッパはどこへ行くのにもとにかく近いのが魅力。
任期がはっきりとは決まらないロンドンでの滞在を最大限生かすためには、とにかくフットワーク軽く旅行をすることに限る。
多くの都市は二日間精力的に動けば十分に満喫できるような規模だし、消費者には幸いなことに最近では競争の激化により格安航空会社のネットワークが充実し、ヒースローよりは少し中心部から離れるGatwickやStansted等の空港に行くことを厭わなければ、ヨーロッパの殆どの主要都市へのアクセスが可能になる。
このような格安航空会社については、安全面に関して疑問を呈するドキュメンタリー番組なども放映されやや波紋を呼んでいることも確かだが、一般人の心情としては所詮max2時間程度の飛行時間だしまあいいか、と思ってあまり気にせずに利用している。

のっけから脱線してしまったが、フットワークの軽さについて、であった。
前回のフランス編のように、一箇所への旅行で5つも記事を書いているのでは身が持たない。
好きでやってるのだから仕方ないのだが、それにしても遅筆になるし他のトピックについて書けないので、旅行記は一箇所につき一エントリに絞ろう、と思っていた矢先。

昨日はプラハ最終日だったのだが、やっぱりどうしても追加で書かずにはいられないことが。
一つだけ、追加します。

ユダヤ教について前回少々触れたが、前回書いた通り、Jewish Quarter一帯は16日・日曜日には観光客向けなのかイースターにも拘らず営業再開。(といってもEasterはあくまでキリスト教の行事なのでユダヤ教は関係ないといえば全くその通りなのだけれど。)
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墓石が無秩序に並ぶThe Old Jewish Cemetaryを中心とする一角の中で、humanityについて考えさせられてしまったのがPinkas Synagogueだった。

1. 77,297人のユダヤ人達
一階から中二階にかけて、壁をナチスによる迫害のために戻らぬ人となった77,297人のチェコスロバキア出身のユダヤ人の氏名が埋め尽くす。建物自体は1968年に浸水のために閉鎖され1990年に再建、壁の文字も1992年から1996年に書き直されたため、清潔な白壁に映る文字は真新しいようにも見え、意外なほどに悲愴感がない。
壁には、亡くなった人の氏名と誕生した年・死亡した年が記載されているのだが、前者は様々。
そして、終了年は例外なく1942年から1944年となっている。
老若男女を問わず、唐突になす術なく人生に終止符が打たれる。
その、機械的な1942や1944という数字とその膨大な数が、ナチスドイツによる迫害がいかに凄惨なものであったかを物語っていた。

2. 子供たちによる絵の展示
二階に上ると、Terezin Camp (強制収容所)で子供達が描いた絵の展示が行われている。
The Jewish Museum in Pragueの資料によると、収容所に送られた時点で15歳に満たなかった子供の数は10,000人を上回り、このうち第二次大戦を生き抜くことが出来たのは僅か242人に過ぎなかった。
絵のテーマは、様々。
戦争勃発前の楽しい日々を描いたもの、闇と恐怖をテーマにしたもの、いつか故郷に帰れる日を夢見て「Praha」へと向かう看板を描いた明るい色調のもの。
年齢を見てその上手さに舌を巻くような作品もある。
X君は将来画家を夢見ていたのかもしれない。
個性と希望と才能に溢れたこんな子供達の人生もまた、唐突に乱暴に終わることを余儀なくされる。

ユダヤ人迫害とホロコーストについては無数の本も映画もあるけれど、直接この目で見て、改めてヒトラーが達成したかったものは、そして達成したものは何だったのだろうと思う。
「民族浄化」。
そんな言葉が頭をよぎり、眠るのが難しくなる。

今日は暗いテーマになってしまいました。
明日から四連休ぼけの頭を現実に引き戻して、仕事に復帰せねば。

追記: イースターはどこも休暇が変則的になるのが痛い。日曜日はユダヤ教にどっぷり浸かる前にDvorak Museumを訪れるも、残念ながら臨時休業の模様・・・仕方なく、美しい建物だけをカメラに収めて退散しました(全貌は自信がないのでコンサートの看板でお茶を濁してます)。
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by canary-london | 2006-04-18 09:02 | travel