ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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週末散歩その2: Courtauld Gallery

日本から帰国したばかりの今週末は、これといった予定もなく比較的のんびりと過ごした。
ロンドンの気候も、4月に入って漸く少しだけ春の足音が。

日曜日は、以前から訪れてみたかったEmbankment裏に位置するコートールド・ギャラリー(Courtauld Institute of Art Gallery)を訪問。

ここは、常設展示は無料が圧倒的多数派のロンドンにおいては珍しく、(特別展示と共通料金ながら)入場料金として5ポンドを徴収する。
しかし、ロンドンでは初めて出会った限定的ながら写真撮影を許可する美術館でもあった。
(所定の用紙に記入する必要があり、どの作品を撮ったか細かく記録を求められる。ちなみにGround floorとFirst floorしか撮影は許可されておらずSecond Floorは禁止。)

1. セザンヌ再発見
珠玉のコレクションの中で特筆すべきは、やはり印象派。
モネ、マネ、ルノワール、セザンヌ、ロートレック、ドガ。
中でも、セザンヌが多いことが特徴。
といってもウェブサイトに紹介されていたターナーやレンブラントは一枚も見当たらなかったので、そんなに広くはない展示スペースをこまめに入れ替えているのだろうか。

セザンヌは、オルセーなどへ行くとついつい幾多の巨匠に埋もれてやや影が薄くなりがちなのだが(セザンヌ自身十分に巨匠なのだけれど)、今回は個人的にはセザンヌ再発見、であった。

有名な’The Card Players’(「トランプをする男たち」: 1892-1895)。
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オルセーでも楽しんだこの絵。
男性を題材としたセザンヌの絵では、’Man with a Pipe’「パイプをくわえた男」: 1892-1895)も広く知られているが、実はパイプを加えたこの男性と、トランプをする左側の男性は同一人物。
どうやらセザンヌ自身の雇っていた庭師だったらしく。
セザンヌのコメントが印象的だったので紹介する:
‘I love above all else the appearance of people who have grown old without breaking with old customs’
意訳するとこんな感じだろうか:
「私が何より好きなのは、古くからの風習に頑なにこだわりを持ち続けて年齢を重ねた人達の表情である。」

古いかもしれないけれど、素敵な考え方ではないか。
ちなみにセザンヌの風景画も多数展示されていたが、個人的にはセザンヌは風景画より静物や人物の方に魅力を感じる。
下の二点はモネ。
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2. 美術作品を撮影するということについて思うこと
2月にパリを訪れた際、写真撮影があまりに自由に許可されていて驚いたオルセーについて書いた

オルセーで群衆に紛れてデジカメで幾多のお気に入りの絵を写しながら、実のところ何とはなしに違和感を感じていた。

私は記憶力が悪いので(いや別に年齢のせいではなく昔から健忘症なのだが・・・)、感動を一部でも映像として保存できることは有り難いことは間違いない(これは写真撮影によって絵画の劣化が加速しないことが前提だけれど。専門家の友人にいわせると何らかの悪影響は与えると思われるため、オルセーはじめとするパリの幾つかの主要美術館における寛大なる措置は信じがたいものがある。)。

ただ、ひとたび「写真OK」となると、人間心理としては深く考えずにとにかく写真を撮りまくろうということになるのだろうか。
オルセーでは、芸術を楽しむよりも写真を撮ることの方に専念している輩が多いように感じて残念だった。
特に写真が好きなのはアジア人に顕著な傾向であるように思う。

写真という記録媒体に残せるかどうかに係らず、素敵なものに出会ったときの感動を、その一瞬を大切にしたい。
どれだけ便利なデジタル社会になろうとも、感動を残さず記録することなど出来ないのだから。
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by canary-london | 2006-04-05 08:04 | diary