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ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
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ニューヨーク考

週末に休日を二日ほど付けてニューヨークに行った。ロンドンからNYは、行き7時間強・帰り6時間強かかるとはいえ、やはり東京からいずれかに行くことを考えると近い。
前回訪れたのは2006年の初夏なので、三年弱ぶり。
私は5歳から9歳をニューヨークで過ごしたので、第二の故郷ともいえる街だろうか。
ニューヨーク考_f0023268_9202318.jpg

そんな久し振りのニューヨークについて、今回は雑感諸々を思いつくままに述べることにする。
1. ここで言うまでもないことだけれど、ロンドンに比べて「街のペース」が速い。
東京の新宿駅地下通路と違って他人にぶつからずに歩けないということはないけれど、人が多い。

何しろ、クラクションがうるさい。
ただクラクションに関して言えば、イタリアはある程度の都市となると何処に行っても大概うるさいので、必ずしも「街のペース」や人の多さとは関係なく、単純に国民性と忍耐力の問題なのかもしれない(笑)。

それから、後ろの人のためにドアをホールドしない。
レディファーストとかいうことに拘らず、ロンドンに暮らすと後続の人が来るまでドアを手で開けて待つことに慣れてしまうものだ。
ニューヨーカーは基本的にこれをやらないので、ドアを開けて待つ度に異常なほど恐縮されてしまった。

2. アメリカ英語というもの。
アメリカ英語というのは、耳慣れないとただの耳障りだったりする(笑・失礼!)。
5歳の頃は、訳もわからず毎朝左胸に手を当て、星条旗に忠誠を誓ったりしていた。
‘I pledge allegiance....to the flag....of the United States of America’
暫く経つと、毎朝呪文のようにそのフレーズを呟くことに疑問すら感じなくなる。

JFKに降り立つと、入国審査のところでCNNが流れている。
CNNはもちろんヨーロッパにいても見る機会が多いとはいえ、アメリカ本土で聞くとまたひときわ「アメリカ的」だ。
非常に「アメリカ的」な美人キャスターが「アメリカ的」な記事を(そのときは、バービー人形がティーネージャーに容姿のみを重視するという悪いメンタリティを植え付けるという見解を表すものだった)、極端な「アメリカ的」英語で読みあげていく。
・・・ニューヨークの同僚とやりとりする機会は多いものの、日常的には忘れているこの感覚が蘇る。

3. 交通機関について。
まずはタクシー。
マンハッタン島に滞在すると、道行く車の過半数は名物の黄色いタクシーといっても過言ではないほどタクシーが多い。
しかし、いざ捕まえようとすると驚くほど空車が少ない。
そして、行先により(自分の風貌の問題ではないと思いたいが・笑)乗車拒否が甚だしい。
・・・この国、本当に1929年以来の不景気なんだろうか。
そんな疑問と不満をNYに在住する友人にぶつけたところ、マンハッタン島はタクシー代が著しくリーズナブルだから需要が供給を上回るとの弁。
確かに、そうかも。

一方の公共交通機関。
これまたNYの名物といっていい地下鉄について思ったこと、二つ。
一つ目は、NYの交通機関も意外に消費者にとって最悪であるということ。
到着日翌日、友人とのディナーの待ち合わせにたまには早めに行こうと思ってホテル最寄の駅から地下鉄に乗ったはいいが、まず電車が来ない。
10分近く経ってやっとホームに電車が滑り込んでくる。
混雑する電車に乗ったと思ったら、次の駅までの間におもむろに電車が停止してしまう。
何の車内アナウンスもなく、10分が過ぎる。
乗客は苛々する風もあるものの、基本的には辛抱強く待っている。
そのうちに、音もなく電車は動き出したが、先の方の駅で人身事故が遭ったためにこの先も遅れが予想されるとのアナウンスがその後に入ったため、とにかく電車を降りてタクシーを捕まえようとすると、上記のような状況。

ロンドンに暮らしていると、公共交通機関があまりに酷いために比較的寛容になるのだが、NYの地下鉄も意外に最悪だったりする。変な話だけれど、ロンドン住人としては何ともなしに少しほっとしたりもする。

二つ目。
2006年初夏にNYに行った際、Giuliani前市長の貢献でここまでNYは安全になったのかと感動した。比較的遅い時間に女性が一人で地下鉄に乗っても恐いという気持ちを抱くことが殆どない。
不景気の際の常だけれど、治安が少し悪くなったと色々な人が言うのを耳にする。
今回NYで会った友人数人にそれとなく聞くと、「多少はそういう部分もあるだろうけど」といった趣旨の現実的な答えが返ってきた。
現在の不景気で世相がこれ以上悪くなることがなければ良いのに、と切に願う。

4. ホテルでの新鮮な体験x2
滞在の短い今回は、とにかく場所が便利であることを優先し、ミッドタウンはWest 57th Stのとあるホテルに滞在した。
驚いたこと一点目は、フロントにいるホテルマン。
ロンドンから行くリゾート地は押しなべて若く綺麗な女性が多い印象なのだが、体格が良く所謂イカツイ男性が多いのにびっくり。
やはり街の治安とホテルフロントの「キレイドコロ」度は反比例するのだろうか。

二点目は、驚いたというよりも心が和んだことだが、エレベーターで終始流れる映像が、例外なく犬猿の仲である猫とネズミの一幕を描いた’トム&ジェリー’であることだった。
この街はストレスに苛まれる人が多く、それも見越して少しでも癒し効果のあるアニメを採用しているということなのだろうか。

5. レストランでのカロリー表示
メニューのそれぞれに「これは350kcalで体にいいです」とか、「これは900kcalなので一日の残りは軽食にしましょう」と書いてあるようなビジュアルに、我々は慣れていない。
いつからだったか覚えていないが、NY州は外食産業におけるカロリー表示が近く義務化されるとの話を初めて聞いた際に背筋が寒くなった覚えがある。
今回の訪問で、三年前に比べてカロリー表示が明らかに増えている現実に直面した。

・・・とはいえ、より憂うべき事態は、いかにカロリー表示を徹底しようがセントラルパークをジョギングする男女が多かろうが、アメリカは概ね肥満国家であるという紛れもない現実である。

*****

今回の旅を経てもっとも強く感じたことには今回触れるチャンスがなかったのだが、これについてはまた次回。
by canary-london | 2009-03-13 09:22 | travel