ロンドン生活開始から4年強経過。あこがれの田舎暮らしも敢行!このまま骨を埋める展開か??インベストメントバンカー日々迷走中。


by canary-london
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

電話とジェンダー

クレジットクランチのあおりで、過去一年ほどの間に私が所属するデット・シンジケート・デスクの人員も大きく減少した事実には何度も触れてきた。
そんななか、皆が注目しているトピックの一つに「デスクの電話」というものがある。
つまり、直通番号の主が電話中もしくは離席中の場合に、誰が本人の代わりに電話を取って伝言係となるか、ということ。
これは瑣末なことのようでいて、実は色々な含みがある。

シンジケート部の電話というのは、かなりムラがあるのが現実。
投資家不在でディールが極端に少ない夏季やクリスマス前など、一時間に数えるほどしか電話が鳴らない日もあるが、数件のディールが同時に走っているときなどは電話の鳴りやまないパンク状態となることも。
f0023268_1023355.jpg
先日の記事でも書いたとおり、現在の狭義の我がデスクは秘書を除いて男6人:女4人とフロアの中では異常に女性比率が高い。ご多分に洩れず、秘書は女性である。


事の発端となったのは、つい先日産休に入ってしまった秘書Nだろうか。
ごくイマドキの若者であるNについては、仮病や怠け癖も気になったけれど、最も困ったのは、電話を取ることを秘書の仕事と考えていないということだった。
途中から渋々電話を取るようになったものの、相手が電話口で怖がりそうな不機嫌な応対をするのだからたまらない。
その意味では、つい先日Nが産休に入り、彼女のピンチヒッターとして弊社で長く秘書を勤めた経験のあるCが戻ってきてくれたのには、全員胸を撫で下ろした。

以下は、Nが産休に入る前のひとコマ。
ディーリング・ルームの電話というのは、呼出音を3コール以上鳴らさせるものではない。
(外線の場合は主に急ぎで掛けてくる相手に対して失礼であることに加え、実際問題として音の設定が大きいために結構耳障りでもある。)
するとどうなるかというと、秘書のNが席にいる・いないに関わらず、「電話は3コール以上鳴らさせない」というディーリング・ルームにおいては常識的なメンタリティーを共有する人達の間で他メンバーの直通ラインをカバーしていくことになる。

しばらくすると、デスクに明らかに不満が広がり始めた。
その不満とは、「電話を取るのは圧倒的に(秘書を除く)女性が多い」というもの。
・・・確かに。
我々は共有チャットルームで互いに電話メッセージを送ることにしているので、誰が他人のラインを多くカバーしているかは一目瞭然で分かる。
不満分子が発起人となって開かれた「デスク会議」(笑)の結果、実験的に導入されたのが、「セカンドラインの表示を取りやめる」というもの。
つまり、従来は私の直通が鳴った場合は’canary-london’というラインが光り、私がそのラインで話していると’canary-london2’が光るという仕組みになっていた。
これだと負担に偏りが出るため、誰かの直通ラインが塞がっている場合は全て部署の代表番号に流れるようにして責任の平準化を図るというのは、何と全ての元凶である秘書Nの提案だった。
しかし、自分が大事な電話を待ちながらも別の電話で話しているとき、鳴った電話が自分に掛かってきたものかデスクの別の人間に宛てたものかが分からないのは、至って不便。
ということで、この方法も程なくしてボツとなった。

一見くだらないと思えるデスクの電話の取り方について、一度ならず「デスク会議」が開かれる状況をみて、最近ではさすがに男性連中の意識も上がり、電話を取る作業が若干分散されるようになった。
(加えて、先週からスタートしたCは秘書のごく当たり前の仕事として1コールで電話を取ってくれるのが嬉しい。)
・・・とはいえ、やはり客観的にみて女性が電話を取ることの方がまだまだ多い。
これは、(私だけでなく、前々回も登場したJやAなど)特に我がデスクの女性が概して面倒見の良いタイプでついつい人より先に電話に手が伸びてしまうだけなのか、もしくはもっと根深い「電話は女性が取るもの」といったサブリミナルな男性側の意識の表れなのか。
後者ではないと思いたいが、それでも電話を取るという行為とジェンダー(社会的性)の間に何らかの関係はありそう。
・・・非・秘書職の女性が多い職場に働く男性諸君、後ろ指を指されないようご注意あれ!
[PR]
by canary-london | 2009-02-26 10:03 | diary